発酵食品

2020年09月26日 08:56

よく納豆とヨーグルトを食べています。納豆は枯草菌の一種で納豆菌、ヨーグルトは乳酸菌から作られることは知っているのですが、発酵について少し調べてみようと思って「発酵にことが一冊でまるごとわかる」齋藤勝裕博士著を読んでみました。味噌、醤油、お漬物、納豆からお酒、ヨーグルト、生ハム、ソーセージなどお馴染みの食品や、食品ばかりではなく和紙、衣類、陶磁器まで「発酵」が使われていることなど勉強になりましたし、さらに「発酵・熟成・腐敗」の違いなど、わかっているようで意外とわからないことをわかりやすく解説してくれます。その中でも発酵についての最先端の研究については興味深く読ませてもらいました。

農業で作物の残りカスや、除草でとった草などの緑肥からなる無熟な有機物を土壌の表面に置き、さらに米ぬかをを振って浅く土と混ぜてみると、土は団粒化が進み、排水が良くなる方法。シロアリの消化器官内にいる共生菌の中には、水素を生成する菌がいることが確認されており、水素ガスを発生しようとする試み。ポリ乳酸高分子によるマイクロプラスチックの削減。「オーランチオキトリウム」という単細胞生物から石油を生産する方法(研究チームの試算では、生産設備を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵するとしている)。最近タンカーがモーリシャス沖で座礁した事故で石油が流出し、環境汚染されたニュースを報道で知りましたが、石油を分解する菌も存在するそうです、海水中に1mlあたり約10×6個の細菌のうちの10×2〜4個(1%以下)が石油分解菌と言われており、石油汚染を受けると10%以上に増えて、地球環境を守ってくれています(まさにナウシカのような話ですね)。日本酒造りでは麹菌と酵母という2種の全く異なる微生物が同時に働いており、これは腸内細菌群と疾病との関係の解明にもつながるものと、将来の研究が期待されています。

人類は歴史的に黎明期から微生物と付き合ってきて、腐敗や病気の原因である一方、食品の味を美味しくしたり、貯蔵した食料の保存性を高めたり、お酒を作ったり、生活を豊かにしてくれたのも微生物のおかげでした。土壌中の微生物は99%以上が寒天培地では生育しないので、DNAを直接抽出して探索する方法が登場してから飛躍的に進歩してきた発酵科学は、これからもまだ発展して行くと期待しています。

これからも納豆ご飯とヨーグルトは欠かせない存在です・・・。

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