「テクノロジカル・リパブリック」アレクサンダー・C・カープ&ニコラス・W・ザミスカ著を読みました。著者のアレクサンダー・キャドモン・カープ博士はパランティア・テクノロジーズ共同創業者兼CEO。2003年にカリフォルニア州パロアルトで創業されたパランティア・テクノロジーズは、アメリカと同盟国の防衛機関や情報機関、民間企業で使われているソフトウェア・プラットホームとAIを構築している。ハバーフォード大学卒業後、スタンフォード大学ロースクールで法務博士号を取得。その後、ドイツのゲーテ大学フランクフルト校で博士号を取得(新古典派社会理論)。ニコラス・ウィリアム・ザミスカ博士は、パランティア・テクノロジーズCEO室コーポレートアフェアーズ責任者兼法務責任者、Palantir Foundation for Defense policy & International Affaies評議員。イェール大学卒業後、イェール大学ロースクールで法務博士号を取得。
ちなみにパランティア・テクノロジーズとは、2003年にピーター・ティール、ネイサン・ゲティングス、ジョー・ローンズディール、スティーブ・コーエン、そして初代CEOのアレックス・カープらによって設立された米国のソフトウエア企業である。9.11後の「政府機関の情報が縦割りで共有されず、重大な危機を防げなかった」という問題意識を出発点に、政府・軍・企業の内部に散在する膨大なデータを統合し、意思決定を支援するためのプラットフォームを開発してきた。同社の主力製品は、政府・軍向けのGotham、企業向けのFoundry、そして近年急成長を支えるAIP(Artificial Intelligence Platform)の3つである。これらは、戦場の情報統合、サプライチェーンの最適化、医療の感染管理、公共インフラの監視など、複雑で安全性が求められる領域で利用されている。パランティアの特徴は、単なるAI企業ではなく、「データ統合・AI制御・意思決定支援」を一体化した“運用OS“を提供する点にある。軍事レベルのセキュリティ、厳格なアクセス管理、モデルの安全制御などを備え、国家安全保障や災害対策など「失敗できない領域」で採用されている。創業以来の理念である「自由社会を守るための技術」という思想を背景に、政府と民間の双方で独自の存在感を持つ企業へと成長している。(COPILOT作)
この本は、現代の民主国家が直面する安全保障・情報戦・AIの急速な進展に対し、国家の意思決定と統治を“技術を中心に再構築するべきだ“と論じた短い思想的エッセイです。9.11以降の情報断片化、官僚制の遅さ、AIの暴走リスクなどを背景に、自由社会を守るためには、データ統合・AI制御・透明性を備えた技術基盤を国家の中核に据える必要があると主張します。カープは技術が国家を支配するべきだと言うのではなく、民主主義の価値を守るために技術を従属させ、国家が“神経網“として機能させるべきだと強調します。国家の情報生態系を再編し、複雑化した危機に耐えうる新しい共和国像ーーそれが彼のいう「テクノロジカル・リパブリック」です。(COPILOT作)
以前のブログでスティグリッツ博士の「資本主義と自由」を取り上げたときに、国家主導の技術革新に投資すべきと言っていたと思うのですが、今回は、それの安全保障特化型版といったところです。日本人からすると軍事利用と言われるとそんなに先走って大丈夫?と引いてしまうところもあるのですが・・・。もちろん安全保障は大切ですし、それによって技術革新が進んでいく側面があることも忘れてはならないと思います。特にAIP(Artificial Intelligence Platform)に関しては、民間で使用されるAIPに特化して、製造、医療、物流、災害、インフラ、工芸、農業など「職人技+複雑系」の領域、日本版AIPを開発したらいいのでは?と素人としては考えてしまいます(そんな簡単なことではないと思いますが)。「職人技と現場知を中心に据えた、分散協調型の複雑系意思決定アシストOS」なるものを、日本の生態系(産業・都市・災害)を守るための神経網として設計されたら日本の未来は明るい?・・・・・考えて見たいと思います。