Netflixで「クーリエ:最高機密の運び屋」2020年ドミニク・クック監督を観ました。キューバ危機において重要な役割を果たしたとされる実在の人物、英国人の電気技師グレイヴィル・ウィンの半生を描いたスパイスリラー映画です。Rottenn Tomatoes によれば172件の論評のうち高評価は86%にあたる148件で、平均点は10点満点中6.9点となっています。
だいたいのストーリーはこんな感じです。1960年、東西冷戦により世界中が核の脅威に晒される中、モスクワのアメリカ大使館に、ソ連高官から密書が届けられた。GRUに所属するオレグ・ペコフスキー大佐が、アメリカへの亡命を打診してきたのだ。CIAは、たまたまソ連政府内部のスパイを失った直後だったため、イギリスのMI6に協力を求めた。MI6とCIAは、東欧の国々で工業機械を売る英国人ビジネスマンのグレヴィル・ウィンの依頼して、ソ連の核兵器に関する情報を西側に運ぶ任務に協力してもらうが・・・・。1962年のキューバ危機を裏側から描くとともに、二人の男の絆の成長の物語にもなっています。
昔ながらのスパイ映画なのですが、現代風にテンポよくストーリーは展開していきます。しかし後半は(やや重苦しい感じでもありますが)じっくりと登場人物の心の動きなども丁寧に描かれています。主演のベネディクト・カンバーバッチは後半のシーンの撮影のため3ヶ月で体重を10kg減らしてリアリティーを追求したそうで、収容所にでのシーンは迫真の演技であり見どころの一つだと思います。私の生まれる前の出来事ですが、本当に核戦争一歩手前の危機があった・・・・・登場する二人の男の活躍だけで回避されたわけではありませんが、考えさせられました。ぜひご覧になってみてください。