年寄りは本気だ

2023年03月10日 08:13

「年寄りは本気だ」養老孟司、池田清彦著を読みました。Wikipediaで調べてみると、養老孟司博士は日本の医学者、解剖学者。東京大学名誉教授。医学博士。となっていて、池田清彦博士は日本の生物学者、評論家。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。理学博士。と書いてありますが、それぞれの専門分野の話ではなく、コロナウイルスやウクライナ戦争など時事問題からAI、安全保障、環境問題まで幅広い分野での日本論を展開しています。非常にまとまっていてわかりやすいと思ったのですがAmazonの内容紹介には、「この国にはモノサシがない」ー碩学のふたり、ブツクサと大放談!「日本には人命尊重という概念がない」「有事になると希望的観測で動く」「損切りができない」・・・・この国を動かす「空気」の正体を断じる。「SDGsはただのスローガン」「AIの予測はだいたいはずれる」「カーナビは人間の感性をダメにする」・・・・流行りものにも物申す。84歳と75歳が、日本の本当の難題を語り尽くす。・・・とあります。本の表紙や裏表紙には“恐いモノなし“とか、炎上したら骨になるだけ。いうべきことは言っておく!などちょっと過激なことが書いてありますが、まさしく碩学のお二人が幅広い見識によって、この世を冷静に分析しているといった内容になっています。自然というフィールドで活動する虫好きのお二人ならではの視点が随所に見られ、なかなか気づかない視点からの思考は面白く、この本はおすすめです。

養老博士は「環境問題とは、日常性の維持問題である。ー中略ー日常を破壊しない日常の確立、それがSDGsに表明されている持続可能性であろう。」と語り・・・
池田博士は「人間は、多くの言語化できない様々な領域で同一性を捏造している。ほぼ同じ同一性を抱いている人の間では、共通了解がスムーズに進み、比較的ハッピーな共存が可能になる。同一性が余りにも激しく異なると、あいつらの考えていることは許せないとなって、喧嘩や紛争が起こり、場合によっては戦争になる。」と語っています。
“日常性“と“同一性“・・・別々の問題のような・・・互いに関わり合う問題のような・・・・じっくりと考えてみたいと思います。

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