第64回鎌倉薪能

2022年11月18日 18:17

鎌倉薪能は1959年から続いていて、今年で64回を迎え、発祥と言われる奈良・京都に次ぐ歴史がある伝統の古典芸能です。(ちなみに京都薪能は1950年から平安神宮で6月に開催されています)今年も新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、協賛者など一部の招待者のみで開催し、後日オンラインにて無料配信となりました。しかし考えてみれば3年連続でオンライン無料配信を観ることが出来たとも言えます。(今回、狂言の「鐘の音」が配信されなかったのは残念です)今年の開催は雨の中だったようで、それがより神秘的な雰囲気を醸し出していました。60年以上も続いていれば雨の日や風の日、寒い日や暑い日などあったと思いますが、それがまた野外でおこなっている醍醐味なのかもしれません。薪能は能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽で、本来は神仏に薪をお供えする儀式であったそうです。鎌倉薪能は神事的な側面もあり、より神秘的に感じられるのかもしれません。。今年の能「箙(えびら)」はこの3年の中では登場人物が多い方で、それぞれの登場人物の台詞、足の運びなどのテンポや声の高低が、キャラクターによってはっきり分けられていて、観ている者を意識して作られているのだろうか、などと考えながら観ていました。狂言も出来れば期間限定の様な形で観ることが出来たらよかったのになあと思います。おそらく来年以降は有観客で行われる可能性が高く、そうなると入場券の倍率は何十倍にもなり、なかなかライブで見ることは難しくなるので、出来れば今後もこの無料配信を続けてもらえることを期待しています。YouTubeで観れますので鎌倉薪能で検索してみてください。

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