天才

2022年11月11日 17:40

アインシュタイン、ニコラ・テスラ、モーツァルト、ピカソ、ダ・ヴィンチ・・・天才のイメージを言えば、極めて頭脳明晰、若くして突然「そうか!」とひらめき、エキセントリックで予測不能な人、そんなとこでしょうか。これから天才になれるはずもないのですが、天才の隠れた習慣とはなんだろうか、ちょっと興味があったので「イェール大学人気講義 天才」グレイグ・ライト著(原題:The Hidden Habits of Genius)を読みました。著者のグレイグ・ライト博士はイェール大学、ヘンリー・L・アンド・ルーシー・G・モーゼス名誉教授。学部生向けの人気講座「Exploring the Nature of Genius」(天才の資質探求)の講座を続けている。グッゲンハイムフェローであり、シカゴ大学から名誉人文博士号を授与され、アメリカ芸術科学アカデミーの会員でもある。イェール大学の優れた学部教育に与えられるセウォール賞(2016)と優れた教育と学術に与えられるディヴェイン・メダル(2018)を受賞しています。

この本の中で博士は天才の性質とはどんなものか、それらはどうすれば養えるのかをテーマに貼り下げていく訳ですが、意外にも「天才」という語の意味が、この何世紀かのあいだに頻繁に変わっており、天才というのは時間と場所に左右される概念だということで、何を稀有なる偉業とするかは、私たちそれぞれにかかっているようです。この本の中で博士が定義した「天才」とは精神力が並外れていて、その人独自の業績や見解が、文化や時代を超えて、良くも悪くも社会を大きく変革する人を指すとしています。その中でも特に社会を変革するという表現を強調しています。(しかし、同じような内容の論文をほんの数日発表が遅かったりすることで、全く世の中に知られずに消えてゆく天才や、社会を大きく変革したにも関わらず、表に出ず無名のままの天才に値する人々もいたのだろうなあと思ったりもします)

数々の習慣の中で、天才といえば一つの学問を粘り強く一生涯やり続けたようなイメージがありますが、意外に好奇心の塊のような人が多く、いろいろなことに首を突っ込んで、そんな中からヒントを発見しているケースが多いそうで、なるほどなあと納得してしまいました。またよく言われる話ですが、天才はリスクを恐れず失敗しそこから学ぶ、驚くべきレジリエンスを発揮する。しかし最近は、子供がリスクに晒されて失敗を経験するのは、避けるべき困難と考えている親御さんが増えており、そう考えると今の時代は、天才は生まれにくい環境になっているのではと心配になります。まあ「天才」はなろうと思ってなれるものではないし、突然やってくるようなものでしょうから、心配してもしょうがないと思いますが。それはギフトでもあり呪いでもある・・「天才」・・・気軽に読みやすくできていると思います、ぜひ読んでみてください。

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