先週に引き続きファシアについて書きたいと思います。以前リハビリテーションをブログでも取り上げましたが、脳の疾患による運動失調やそのリハビリテーションなどを理解するための研究である運動制御の最新研究では、脳による身体の複雑な運動の制御は「筋シナジー説」に基づいて行われている事が示されています。
この筋シナジーとはロボット工学で使われている考え方で多数の筋や関節の中から(よく使われる)組み合わせとその時必要な活動パターンをあらかじめ複数作っておき(これをシナジーという)、実際にロボットを動かす際は適切なシナジーを使うことによって、コンピューターにかかる制御の負荷を大幅に減らす事ができるという考え方です。
つまり脳は膨大な数の筋肉や関節の中から(とても大きい自由度に)必要なもののみを選んでいくつかパターン化しておいて(何らかの拘束状件を加えて自由度を減らし)、このパターンを使う事で負荷を大幅に減らす事ができているのだそうです。これを読んでいた時に考えたのですが、おそらくファシアは筋シナジーを可能にする為には重要な役割を担っているのではないだろうろうか?またファシアが滑らかに動かなくなるということは筋シナジーに影響があることになり、一つの動作全体のバランスに影響する事なのではないか?など思いを巡らすことになりました。
これについては答えが出ている訳では無いのですが(知っている方がいたら是非お問い合わせフォームにて教えてください)、ファシアの研究は盛んに進められているようで人の生きた筋膜の構造(Architecture of Human Living Fascia)という本(何と9800円しました)を買って現在勉強中です。いつかファシアⅢを書くことができればと思っています。