「だから僕たちは、組織を変えていける」という本を読みました。著者の斉藤徹さんは1985年日本IBMに入社。1991年に独立しフレックスファームを創業。2005年にルーブス・コミュニケーションズを創業。ソーシャルシフト提唱者として、知識社会における組織改革を企業に提言する。2016年から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。起業家、経営者、教育者、研究者という多様な経歴を活かして、2020年からビジネス・ブレイクスルー大学教授(ビジネス・ブレイクスルー大学とは:大前研一博士が学長を務めるMBAプログラムを有する株式会社立大学である)として教鞭をとる。(著者紹介より抜粋)
There is crack in everything and that’s how the light gets in.
すべてのものにはクラックがあり、そこから光が差し込む。
台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タンの大好きな言葉この一文からこの本は始まります。
ざっくりとこの本の内容を説明すると、制度疲労を起こした日本の組織に入ったクラックに差し込む光とは何か?時代は変わり、組織もそれに合わせて変革が求められる、こうした未曾有の危機にどう対応したら良いのだろうか?と言ったところになると思います。
①農業革命で農耕社会になり、②産業革命で工業社会になり、今現在は③情報革命で知識社会に移り変わっている中で、工業社会で作り上げた集中化と標準化によって徹底した効率化を遂げた大量生産大量販売システムは今や昔となり、効率化(目標数値)を追い求めてきた組織もあちこちにヒビが入り、誰しもが違和感を感じるようになってきています。考えてみればZ世代と言われる世代は「ソーシャル・ネイティブ」と言われているそうで、幼い頃からソーシャルメディアを使いこなしていて、世界の人々が繋がって共感して、新たな価値観を形成しているそうです。その中には「持続できる社会、持続できる事業を目指すべきだ」「事業運営は誠実であるべきだ」「組織運営は人間性を重んじるべきだ」などがあります。そう考えると・・・役員会で決められた営業目標の数字を社員一丸となって達成するのだ!なんて言っている会社は危ないのかもしれません。
日本は自律性に目覚め、団結して、優しくクリエイティブな知識社会の創造へ向かうのか・・・。考えさせられました。
ただ斉藤徹さんはこうも書いています。「今までも、何度も危機を克服してきた。だから僕たちは、組織を変えていけるのだ」