ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

2022年08月05日 18:28

🎵Southern trees bear strange fruit,
Blood on leaves and blood at the root,
Black bodies swinging in the southern breeze,
         ・
         ・
         ・
Here is strange and bitter crop.
1939年ビリー・ホリデイ「奇妙な果実」(リンチにあって虐殺され、木に吊り下げられた黒人の死体を描写した、人種差別を告発する歌です)

「ザ・ユナイテッド・ステイツVS.ビリー・ホリデイ」リー・ダニエルズ監督2021年を観ました。この作品はヨハン・ハリ「麻薬と人間 100年の物語」を原作とした、アメリカの伝記映画です。Rotten Tomatoesの評価は平凡で平均点は10点満点中5.4点となっていますが、主演のアンドラ・デイの評価は高く、ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いています。

1940年代、ビリー・ホリデイが歌う「奇妙な果実」は黒人差別の悲惨さを人々に知らしめ、公民権運動に大きな影響を与えていた。ホリデイはジャズシンガーとしてスターダムにのし上がったかに見えたが、その裏では恋人からの暴力に苦しみ、酒や麻薬を手放せない日々を送っていた。しばらくして、「奇妙な果実」の力を危惧した当局は歌唱の妨害を試みたが、どうやっても上手くいかなかった。ところが、時の連邦麻薬局の長官、ハリー・J・アンスリンガーの介入で事態は急展開する。アスリンガーは「黒人の歌手が麻薬に手を出している」というイメージを宣伝し、人々の差別意識をも利用しようとしていた。アスリンガーは黒人捜査官、ジミー・フレッチャーをホリデイの元に送り込み、情報を集め逮捕、服役させることに成功するが・・・・・・。だいたいこんな感じで物語は展開していき、ビリー・ホリデイという女性の壮絶な人生を描いた作品になっています。

ビリー・ホリデイにとって「奇妙な果実」を歌うことは、自分の生きている意味そのものだったのではないかと思えるほど魂を感じます。アンドラ・デイの演技素晴らしいです、ご覧になってみてください。

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