歯ブラシって微妙な立ち位置にいると思いませんか?なくなっても致命的に困るほどではないんですけれども、なければでもやっぱり困るようなちょっと面白い存在です。昔、第1次オイルショックの時にトイレットペーパーの買い占めが起こって、トイレットペーパーがなくなるという噂が流れてパニックが起こりましたが、「歯ブラシが無くなるぞ」ではあれほどのパニックは起こらなかったのではないでしょうか。ちなみに第一次オイルショックとは1973年第四次中東戦争が勃発し、OPEC加盟のペルシア湾岸の6カ国が、石油公示価格を70%引き上げることを発表したために起こった日本を含めた世界経済全体の大混乱を言います。(1974年には消費者物価指数では23%上昇し、「狂乱物価」という造語まで生まれています)
話を歯ブラシに戻しますと、何気なく毎日使っているものですが、なかなか自分にピッタリしたものに出会うことが少ないように思えます。買いに行くときはだいたいブラシは柔らかめを選ぶのですが、その他は特にこだわりはなかったので、安売りしているものをただ反射的に買ってました。特に“可もなく不可もなし“と言った感じでした。だいたい世の中の人はどうやって歯ブラシを選んでいるんでしょうか?興味があります。歯医者さんに勧められたもの?何本も何本も試してみてやっと出会えたこの1本!みたいな出会いがあるのでしょうか?それともどれを使っても一緒なので適当に選んでいるのでしょうか?実を言うと先日、何気なく買った歯ブラシが自分にはピッタリ合っていて、生まれて初めて歯ブラシのまとめ買いをしました。歯ブラシって結構種類があるんです、一般的な3列植毛のほか、6列植毛、5列植毛、4列色網、2列植毛、1列植毛のものがあり、毛先の形状にはラウンドカット毛と超微細毛、毛切りには平切りのほか山切りなどがあります。またヘッドのタイプはコンパクトやワイド、毛の硬さはやわらかめやふつうなど作っている会社によってものすごく選択肢が広い・・・。私の場合は、ヘッドがワイドで薄型、毛先がやわらかめの歯ブラシの安定感が非常に気に入っています。(システマE53という製品です)
紀元前3500年前のバビロニアでは、木の枝から作った歯木を使用していて、1223年には宋に留学した禅僧の道元が現地における「くちすすぐともがらは、馬の尾を寸餘に切りたる・・・・(中略)・・・・これをもちて歯牙をあらふ」習慣を記述しています(鎌倉時代に中国では歯ブラシは存在していたようです)。世界では毎年35億本の歯ブラシが販売されているそうです、考えてみればあまりその頃から形は変わっていないような気はしますが、未来では今までとは全く違った発想で歯をクリーニングしてくれる機械が発明されているかもしれません。とはいえ私が生きている間は、毎日コツコツお気に入りの歯ブラシで歯を磨くことになると思いますが・・・・。