While My Guitar Gently Weeps

2022年06月23日 16:17

I look you all see the love there that’s sleeping
While my guitar gently weeps
I look at the floor and I needs sweeping
Still my guitar gently weeps.

I don’t know why nobody told you
How to unfold your love
I don’t know how someone controlled you
They bought and sold you.

I look at the world and I notice it’s turning
While my guitar gently weeps
        ・
        ・
        ・
Look at you all
Still my guitar gently weeps.

「While my guitar gently weeps」ビートルズ1968年アルバム「ザ・ビートルズ」より

先日、ポール・マッカートニーさんが80歳の誕生日を迎えたニュースを見ました。ビートルズが解散してから半世紀以上経っていますが、現在も第一線で活躍しています。これまでに制作した楽曲は500曲以上にのぼり、ギネスにポピュラー音楽史上最も成功した音楽家として掲載されているそうです。レノン=マッカートニーといえばビートルズの発表曲の約70%をしめる作詞・作曲の共同名義ですが、ビートルズはこの2人の才能あってのビートルズだった様です。しかし、今回の曲「While my guitar gently weeps」はジョージ・ハリスンさん作詞・作曲の曲です。1968年にはビートルズの解散が近づいてきている年代で、歌詞は、そこに眠っている愛がありながらも、それに気づけていない人類の哀歌となっていると同時に、メンバー間の不和が反映されたものとなっています。なにか魂の叫びが聞こえてきそうな曲です。2人の溢れる才能に挟まって苦労し、会社の方針とバンド内での方針とで苦労し、個人間の人間関係で苦労し、胃が痛くなる様な閉塞感が出ています。ちなみにジョージ・ハリスンさんは中国の易経の写しを持っていて、その本を開いた時に見えたのが「gently weeps(そっともしくはすすり泣いているなど)」で、そこから曲を書き始めたと語っています。このエピソードをWikipediaで知って「易経」の日本語訳を読んでみたのですが、私が読んだ「易経」にはそっと泣いているやすすり泣いているといった表現は出てきませんでした(泣き叫びという表現は出てくる)。半世紀以上経っていますが全く色褪せないというか、むしろ現代の閉塞感に合っている気さえします。「君たちみんなを見ていると 眠っている愛がそこにあるってわかるんだ 僕のギターがすすり泣く間に・・・」名曲というものはそういうものなのかもしれません。

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