ダウンサイズ

2021年10月23日 09:24

「ダウンサイズ」は2017年アメリカで公開、監督はアレクサンダー・ペイン、主演はマット・デイモンのSFコメディー映画です。これがかなり変わった映画で、人類が縮小できるようになった未来を舞台にしていて、かなり風刺が効いた作品になっています。ドラえもんで繰り返し登場するスモールライトという秘密道具がありますが、まさにそれが可能になった世界を描いています。しかしスモールライトは解除光線を当てるか、制限時間を過ぎると元の大きさに戻る、というやや都合のいい設定になっていますが、この映画の中ではちょっと違っています。

要約すると、“ノルウェーの科学者によって人間の身体を縮小する方法が発見され、身長180センチなら13センチにまで小さくすることが可能になった。人口増加による環境・食料問題を解決する計画が立ち上がり、小さくなることを選ぶ人々が徐々に増えていく。どこにでもいる平凡な男ポール(マット・デイモン)は、少しの蓄えでも裕福で幸せな生活が送れるという縮小された世界に希望を抱き、ダウンサイズを決意する。しかし土壇場で妻のオードリーが逃げ出してしまう。ひとり寂しく生活を送ることとなった小さな人間たちの世界にも、格差が生まれていて・・・・・・・・・・。”というような感じです。

主演のマット・デイモンは社会奉仕活動に力を注いていたり、環境問題の関するNetflixの番組などに出演しているので、彼ならではのアプローチで格差や貧困、環境破壊、さらにはその取り組み方に至るまで社会風刺が効いた視点となっています。ですがこの作品で注目したいのはノク・ラン・トラン役の女優ホン・チャウさんではないでしょうか。映画の中でもベトナムから逃れてアメリカにたどり着く役でしたが、ご本人もベトナムから逃れた両親がタイの難民キャンプで生まれたそうです。この映画の中での役は、ハマり役といってもいいのではないでしょうか、見所だと思います。

社会風刺の効いた皮肉っぽいところもありますが、基本コメディーなので肩肘張らずに面白おかしく見る事ができる作品です。

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