もうあかんわ日記

2021年09月03日 08:47

「もうあかんわ日記」は著者の岸田奈美さんが、2021年3月10日から4月16日までの「もうあかんわ」な日々をnoteに綴ったエッセイです。岸田奈美さんは大学に通いながらユニバーサルデザインを手掛ける株式会社ミライロの起業メンバーとして活動した後、作家として独立。2020年世界経済フォーラムが任命する、グローバルシェイパーズに選出。フォーブス誌の選出する、世界を変える30未満のイノベーターアワード「30 UNDER 30 JAPAN」を受賞している方です。父は他界、弟はダウン症、母は車いすユーザー、からのコロナ禍に生死を彷徨う大手術。間に祖父の葬式が挟まって、ついには、祖母がタイムスリップ。その間にもマンションは鳩の襲撃に遭ったり、煩雑な役所や病院の手続きがあったり、電化製品が壊れたり、次々に襲いかかる「もうあかん」なラインナップ。疲れた時、普段はあまり見ないティックトックのタイムラインを、死んだ魚の目でスクロールし続けることがあるそうですが、これ・・・わかるような気がします。切羽詰まって疲弊すると、私も誰に何をというわけではありませんが、何かにやたら叫んでいる夢を見ることがあります。夢を見ることは記憶を整理したり感情をコントロールすることに役立っている?かもしれない、そんな時はヤッパリ寝ることって大切なんだなあと実感します。こうなったら泣くか、笑うか・・・・・岸田さんは関西人の本領を発揮し、満身創痍で笑わせてくれます。「人生ひとりで抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ」放った言葉通り“・・面白い・・”お見事という他ありません。この本を読み終えた直後、まさかの自分の家族を襲った「もうあかんわ」な事態、なぜだかこの本を読んでいたことで、少し救われたような気がします。読みやすいし面白い、ぜひ読んでいただきたいおすすめの1冊です。

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