「都市で進化する生物たち」メノ・スヒルトハウゼン博士著という本を読みました。都市で生活していても野生の生物に遭遇することは結構あります。カラスやトンビ、ネコ、リス、スズメやハクセキレイ等、たまにアライグマらしきものや、繁殖期にはカモなども見かけることがあります。なぜか道端で野良猫に遭遇することが多くて、よく目があってしまって猫が固まっているのをみます。江ノ島周辺のトンビは賢くて海岸で食べているチーズバーガーやサンドイッチを後ろから狙っているところを目撃します。カラスはさらに賢いのですが、トンビが怖いと見えてトンビがいるところにはあまり近づかないようです。ゴミ捨て場のゴミを漁られるといけないので、カラスと遭遇するとなるべく“殺気”を出してなめられないようにしています。タイワンリスはよく電線をぴょんぴょん歩いているのを目撃しますが、鎌倉市では食害が以前問題になっていました。最近はよくハクセキレイという鳥を目にするのですが、もともと昆虫類やクモ、ミミズを食べていたようですが、都市に適応してきてパン屑なども食べるようになってきているそうです。本の中で博士は手付かずの自然を守ることはもちろん重要であることに間違いはないが、地球が広範囲に都市化された今、人間のために作られた都市も、生物から見れば森林などと等しい「自然」環境であり、むしろ多様な環境を内包する都市は、生物にとって進化を促す場所ともなっていると書いています。イングランドの工業化によってシモフリガの翅の色が黒く進化したことなどは有名ですが、生物はかなり柔軟性も持っていてしたたかなようです(もちろん全ての種がうまく適応できたわけではないので、多くの種が適応できずに絶滅した事実もあるのですが)。都市化によって生物の進化のスピードが上がっているという研究結果もあるようなのですが、世界の人口の多くが都市に暮らすようになった今、人間はどのように進化してゆくことになるのでしょうか・・・・考えさせられました。