鎌倉薪能

2020年12月17日 18:16

第62回鎌倉薪能が12月15日からYouTubeで無料配信を開始しました。今年は新型コロナウイルスのため、規模を縮小して、無観客となってしまいましたが、開催された様子を見ることができます。薪能とは主として夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽であり、「薪の宴の能」の意味だそうです。起源は平安時代中期までに遡り、奈良の興福寺で催されたものが最初だと言われています。鎌倉宮で行われているものは歴史的には3番目に古い薪能で、演じる金春流は室町時代前期に奈良春日大社・興福寺に奉納した猿楽大和四座の一つ、円満井座に端を発すると考えられています。なんと演目の「翁」を演じた金春憲和さんは金春流81世宗家にあたるそうです。規模を縮小しているため、内容は編集されていて、演目によっては「素謡」と言って、舞はなく衣装や面もつけず、上下姿で座って演じて謡曲だけを謡うのですが(アカペラのようなもの)、なかなかこういった姿をじっくり観察してみる機会がなかったので気づきませんでしたが、息継ぎしている気配があまり感じられないので、どうゆう呼吸法をされているのだろうと興味が湧きました。ネットで調べてみたら、能に学ぶ「和」の呼吸法・信長がストレスをパワーに変えた秘密とは?という本が出版されているので、今度読んでみたいと思います。どうやら少し特殊な呼吸法があるようです(最近、鬼滅の刃を読んでいるせいかもしれませんが、呼吸法が気になっています)。

今年は規模を縮小して無観客での開催となってしまったようですが、普段あまり見ることのできないもの見ることができて、本来の筋としては外れていても、能の初心者としては一つ興味を持つことができました。来年は通常通り開催できることを祈っております。

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