お香

2020年06月05日 08:47

大阪堺市の梅栄堂というお香のメーカーから「鉄腕アトムのお香」と「ブラックジャックのお香」の線香が発売されるとのニュースをネットで見て興味があったので、近所のお香や仏具を扱っているお店で「ブラックジャックの香り」を取り寄せてもらいました(近所にこういうお店があるのは鎌倉ならではでしょうか)。よくアロマなどを施術の時などに取り入れてみては?とアドバイスされる事が多かったので元々お香には興味はありました。このブログを「ブラックジャックのお香」を焚きながら書いています。線香というとお墓や仏壇にお供えとして使用されたり、禅寺で1本が燃え尽きるまでの時間(約40分)を1柱と呼び座禅を行う時間の単位としたりしますが、今回のものは匂い線香と呼ばれ椨(タブ)の木(東北地方から九州・沖縄の森林、特に海岸近くに多く、照葉樹林の代表的樹種であり、よく鎮守の森に大木として育っている)の樹皮を粉末にしたものに、白檀といった香木のの粉末や他の香料、炭の粉末、その他の材料を加えて練り、棒状に成型・乾燥させたものです(仏事に使用される杉線香とは基材が違う)。歴史的に見ると古代インドが発祥で、成分法、製法はヴェーダやアーユルヴェーダに記され、香りを楽しむものと、医療目的で使用されるものがあったそうです。中国では16世紀末に書かれた「本草綱目」(薬学部の漢方の授業では必ず出てきます)に線香の製法の記載があります。日本では室町時代には伝来していたのですが、一般に用いられる様になったのは、17世紀後半から18世紀初期に堺で線香の形状が発明されてからの様です。「ブラックジャックのお香」は白檀に桂皮(健胃・発汗・解熱)、大茴香(健胃・鎮痛・去痰)、丁子(健胃・駆風・食欲増進)、甘松(健胃・鎮痛・食欲増進)、藿香(解夏・健胃・止瀉)など漢方に使われている生薬を配合していて、医療のイメージを前面に出している様なのですが、個人的には漢方薬は薬として頭にインプットされているので、あまりお香とは相性がよくないのではないかと感じました。今度は「鉄腕アトムの香り」を試してみたいと思います。
今、気に入っている線香は芳薫堂 微煙タイプの「杏の香り」です。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)