由比若宮(元八幡)

2020年03月13日 08:48

あまり知られていない話ですが、鶴岡八幡宮は以前違う場所にあったことをご存知でしょうか、現在の鶴岡八幡宮から南南東方向に向かい横須賀線を渡ったあたりに由比若宮というこじんまりした神社があります。1063年に源頼朝の5代前の相模の守であった源頼義が奥羽(東北)であった前九年の役で勝利して京に帰る途中、鎌倉に立ち寄りこの地に源氏の守り神である京都の石清水八幡宮の祭神を移し祀ったといわれ、これが源氏と鎌倉のつながりの始まりと言われているそうです。その後源頼朝が1180年に現在の地に移したため元八幡とも呼ばれています。

他の用事があった途中で寄ってみたのですが境内に鎌倉市教育委員会が設置した文学案内板なるものがあり新たな発見がありました、実はこの場所の横には小山別荘という建物がありその別棟を借りて横須賀の海軍機関学校の英語教官時代に芥川龍之介が住んでいました。初期の短編小説「鼻」などはここで創作されたのではないかと思われます。以前から鎌倉に住んでいたことは知っていたのですが海に近い場所に住んでいたことは意外でした、根拠はないのですが勝手に北鎌倉や二階堂などに住んでいたイメージがありました。芥川龍之介は鎌倉だけでなく神奈川県内には他に地にも度々住んでいて湯河原には病気療養で訪れていたり、藤沢市鵠沼の旅館東屋にも滞在していたことがあります。1918年の事なので「蜘蛛の糸」はもしかすると東屋で創作されたかも知れません。

生シラスを買おうと思って行く途中に通りすがりに寄ってみたのですが思わぬ発見がありました。残念ながら生シラスはその日買えませんでしたが・・・・・・・・。

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