未来とは何か

2024年01月11日 15:22

「未来とは何か」デイビット・クリスチャン著を読みました。著者のデイビッド・クリスチャン博士は歴史学者。オーストラリア・マッコリー大学教授。同大学ビッグヒストリー研究所所長(ビッグヒストリーという概念を提唱した人物)。ビッグヒストリーとは、ビッグバンからインターネットまでの完全な宇宙の歴史を、科学の力で読み解く世界史のことであり、クリスチャン博士はマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏と共に「ビッグヒストリー・プロジェクト」を立ち上げました。ちなみに「ビッグヒストリー・プロジェクト」とは、「8つの技術的特異点」と呼ばれる8つの重要な出来事に焦点を当て(ビッグバン、星が輝く、新しい化学元素、地球と太陽系、地球と生命、集団的学習、農業、現代革命の8つ)、自然科学と人文科学の数々の学問分野を結合した学祭的アプローチを用いて、これまでの歴史学よりも、長い時間枠・大きな文脈で人間存在を探求するプロジェクトだそうです。また、クリスチャン博士は科学は一つの知識体系であり、それを通して世界史を理解することが可能だと主張しています。(チャットGPTより)

この本は、冒頭に「私たちが“未来“と呼ぶ奇妙な場所について、どのように想像し、備え、対処すればいいかを考える本である」と記されているのですが、宇宙物理学や生物学などの最新知見をもとに、未来の可能性やパターンを考察し、博士自身が提唱したビッグヒストリーという学問的見地から人類やこの宇宙を待ち受ける未来について大胆な予想を繰り広げています。「一寸先は闇」ではなく「一寸先から見える光」を探求していて、なかなか興味深い本だと思いますぜひ読んでみてください。(チャットGPTより)

私が注目したところは、第4章「植物や動物はどのように未来を操るか」で触れられている、多細胞化することで未来思考はどのように変わるかという視点でした。・・・そこには多細胞生物の一つひとつの細胞も、細菌とほぼ同じ未来操作メカニズムを利用している。しかし細胞自らの未来を操るだけでなく、新たな課題にも直面する。数億個、数兆個の細胞と活動を調和させて、それらすべての細胞がよりどころとするいわば超生命体、すなわち個体の未来を操らなければならないのだ。ではどうやって何百億個もの細胞が、集団としての好ましい未来に関して意見を合わせ、情報を共有し、その情報から読み取れるトレンドを把握し、すべての細胞が属する個体の利益のために集団的に振る舞うのだろうか?・・・中略・・・・・私たち人類は、各個人の未来が人類全体の成功にかかっていることに一人ひとり気づきはじめた。そんな私たちは、多細胞生物に組み込まれたこの複雑な集団的未来操作メカニズムから何か新しいことを学べるのだろうか?
こうした視点は大切だと感じています。ダニエル・カーネマンが「遅い思考」と呼ぶシステムをフル回転して「未来思考」についてじっくり考えてみたいと思います。


記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)