「きほんの呼吸」大貫崇著を読みました。著者は、BP &CO.代表、PRIジャパン教育コーディネーター、Improve KYOTOアスレティックトレーナー。フロリダ大学大学院で応用運動生理学を修了後、「アスレティックトレーナー(ATC)」としてテキサス・レンジャース、NBA(DーLeaue)、アリゾナ・ダイアモンドバックスを経て(そういえば今年のワールドシリーズはレンジャース対ダイアモンドバックスだったような気がします)、2013年に帰国。現在、大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室特任研究員も勤めています。
この本は、呼吸の仕組みや効果、トレーニング法などについて解説した本です。呼吸の基本は、「横隔膜を上下させて、きちんと吸って、きちんと吐く」ことですが、現代人は横隔膜がきちんと動けるポジションにない人が多いと言います。そこで横隔膜の動きを取り戻すための人間本来のあるべき呼吸を、「きほんの呼吸」として紹介します。この呼吸法は、体幹が自然と機能してあらゆる動きに無理がなくなり、自然に力を発揮できる体に変わるという効果があります。呼吸を改善できれば、その上にのっているあらゆる動きも無理なく変わり、自然に力を発揮できる状態に変える、つまり呼吸を見直してみることで自分のパフォーマンスの向上への近道を教えてくれます。(チャットGPT作、加筆あり)
大貫トレーナーもこの本で、「呼吸は、人間が生きる上で欠かせないものです。私たちは赤ちゃんのときから別に意識をしなくても自然に行ってきました。実はその赤ちゃんの時代の呼吸こそが、「きほんの呼吸」です。」と書いていますが、なんで忘れちゃうんですかね?・・・。肺の手術を経験していることもあって、アンバランスというか・・呼吸がスムーズにいかない何かをよく意識させられます。もともと心肺機能を鍛えた方が良いと思って始めたランニングですが、走っている間にも意識させられることがあります。ちなみに最近は、「運動ー呼吸同調現象」という運動と呼吸のリズムが同期する現象の研究もされているそうで、例えば、歩行や走行などのリズミカルな運動では、呼吸が運動のテンポに合わせて速くなったり、遅くなったりします。この現象は、呼吸中枢や末梢神経反射などの神経機構によって起こると考えられています。この現象は、リハビリテーションやスポーツ分野で応用される可能性があり、高齢者や慢性呼吸器疾患患者では、呼吸困難感の軽減、健常者でも有酸素性運動のパフォーマンス向上などに利用する方法が研究されているそうです。
生まれた時から備わっている「きほんの呼吸」にもう一度立ち返ってみる。こうした本を読むと、知らず知らずにズレていってしまった自分の身体の一部に気づくことができます。呼吸について見つめ直すきっかけになってくれた一冊です。