稲村ヶ崎・鎌倉十王岩と共に神奈川景勝50選に選ばれている光明寺に行ってきました。光明寺は1243年に浄土宗三祖年然阿良忠上人によって北条経時公の帰依を受けて開かれています。江戸時代に徳川家康公は関東十八檀林(徳川幕府が定めた学問所)の筆頭において念仏信仰と仏教研鑽の根本道場となったそうです。50選に選ばれているのは裏山に位置する天照山からの景色なのですが、山門からの景色も有名で、お寺のホームページにも西方極楽浄土を見る思いがすると書いてありますが、残念ながら20名以上の団体でないと拝観できませんでした。ちなみにお寺には山門と総門(単なる入り口)があって“山門とは聖域(浄界)に入ることで身も心も浄くして仏道に入るという覚悟がないといけない”という重みがあるようです。
光明寺の景色についてネットで調べていて発見したのですが、過去にここに鎌倉アカデミアという学校があったようです(江戸時代から学問所が置かれていた歴史みたいなものを感じます)。鎌倉アカデミアは1946年第2次大戦直後に鎌倉在住の画家や演劇家が設立した「鎌倉文化会」によって「自分の頭で考える人間づくりが必要」の趣旨で高等教育のために開校した私立学校です。大学設立を試みたようですが、専門学校として設立され資金難のために4年半しか存続できなかったそうです。鈴木清順さん、いずみたくさん、山口瞳さん等が卒業されています。現在では「答えのない問題に答えをだす」ような多人数で議論をしたり自由な発想を育む教育は重要視されてきていますが、当時は敗戦まもなく欧米に一刻も早く追いつき、復興を成し遂げなければならないムード一色だったと思われますので、時代の先を行き過ぎていたのかもしれません。
天照山展望台からの由比ヶ浜はクリアですごく近くに感じ見事でした(天気の良い午前中だったからかもしれませんが)。昨日の衣張山山頂からの写真と比較してみてください。今後稲村ヶ崎や鎌倉十王岩にも足を運びたいと思っています。