「はじめてのスピノザ 自由へのエチカ」國分功一郎著を読みました。著者の國分功一郎博士は東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在は東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は17世紀哲学やフランス哲学。著書に「スピノザの方法」や「中動態の世界」などがあります。
この本では難解なスピノザの著書「エチカ」をもとに17世紀オランダの哲学者スピノザの思想を紹介しています。(スピノザの思想は当時の社会には受け入れられず、禁書や異端とされることもありましたが、後世の哲学者や思想家に大きな影響を与えています)
スピノザは、神と自然は同一であり、すべての存在は神の法則に従っていると考えた。
スピノザは、善悪は物事の組み合わせによって決まると考えた。
スピノザは、物の本質はその物がもつ「力」であると考えた。(この力はコナトゥスと呼ばれ、物が自らを維持しようとする力)
スピノザは、自由とは強制されていないことであると考え、自由な意思など存在しないと主張し、必然性に従うことこそ自由であると言いました。(意識の存在は認めている)
スピノザは、真理を知ることで主体が変容すると考え、真理を知ることで、自分の行動や感情を理解し、自分の力を高めることができると言いました。
(以上チャットGPT参照)
「エチカ」はいきなり呼んでも多分理解できないだろうなあと思って“楽“をしてしまいました。非常にわかりやすく教えてもらえるので、なんとなくスピノザの考え方が“ざっくり“ですが理解できました。興味深なあと思うところもあって、神と自然は同一と考えているところは、中国の天下合一思想などにも共通するところがある感じがしますし、自由な意思など存在しないと考えるところは、1983年のリベット博士が行った、人間の自発的な動作に先行する脳波を測定した実験などにも関連してくるのではないでしょうか。
著者の國分博士が言っていますが、頭の中でスピノザ哲学を作動させるためには、思考のOS自体を入れ替えなければならない・・・。読んでみるとその意味がなんとなくわかります、ぜひ読んでみてください。