「ナイル殺人事件」1978年ジョン・ギラーミン監督を観ました。原作はアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロシリーズ「Death on the Nile（ナイルに死す）」です。日本でも1978年に公開され、テレビCMのキャッチコピーで「結末は決して話さないでください」というフレーズが印象に残っています。50代以上の方でしたらわかってもらえると思います。リメイク版2022年の方が馴染みのある方が多いかもしれませんが今回は1978年版です。巨額の遺産を相続した美女リネットは、親友ジャクリーンから失業中の婚約者サイモンを雇って欲しいと頼まれる。だが程なくしてリネットはサイモンと電撃結婚を発表。2人はエジプトへ新婚旅行へ旅立つが、彼らが乗ったナイル川を遡る豪華客船には婚約者を奪われたジャクリーンの姿もあった。ある朝、リネットが死体となって発見される。ジャクリーンにはアリバイがあったが、乗客の中にはリネットに恨みを持つ者が何人もいた・・・・・。というのが大体のあらすじです。何せ「結末は決して話してはいけないので」これ以上は話せません。豪華客船でナイル川クルーズ・・いいですよねえ。確か全編エジプトで撮影されていたと思うのですが、エジプトの魅力満載でこの映画を観るとエジプトに行きたくなります。帆船が港の近くを優雅に航行しているシーンや、ピラミッドを登っていく２人を下から遠景で撮影しているシーンや、ひっそりとした神殿で事件が起こるシーンなど背景のエジプトの景色を意識して撮ったようなところがあります。特に（歴史的に貴重な建物であろう）神殿でのシーンは登場人物が一人一人現れては消え、徐々に何かが起こりそうな緊張感が増してくる名シーンではないでしょうか。登場人物は、弁護士役ジョージ・ケネディ、医師役ジャック・ウォーデン、メイド役ジェーン・バーキン、など豪華俳優陣です。ポアロ役は1974年版の「オリエント急行殺人事件の」アルバート・フィニーが好きなのですが、今回のピーター・ユスティノフのなかなか良いです。アガサ・クリスティの醍醐味が十分に堪能できる推理映画の傑作だと思いますし、エジプト旅行した気分にもなれます（その映像がまた良い）。ぜひご覧になってみてください。