神様の定食屋

2023年03月24日 09:16

久しぶりに本屋に行って文庫本を買ってきました。最近はAmazonでほぼ購入するので1年ぶりくらいかもしれません。「何か面白そうな本はないかな?」とゆっくり平積みの本を一つ一つ手に取ってみる時間は、忘れかけていましたが、やっぱり楽しい時間です。昔、一冊の文庫本を買うために、小さい本屋を梯ハシゴして決めてた頃が懐かしいです。

今回は、その本屋さんでは一押しだったのだと思いますが「神様の定食屋」中村颯希望著を読みました。著者の中村颯希さんは、2016年「無欲の聖女」でデビューした、ライトノベル作家です。

妹とともに、両親の遺した定食屋を継ぐこととなった高坂哲史。ところが哲史は料理が全くできず、妹に怒られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「誰かに料理を教えてもらいたい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様が。神様曰く、この世に未練を残した魂から料理を教わる代わりに、その魂が望む相手に料理を振る舞い、未練を解消してやってほしいと頼まれるが・・・・・・・・。一つの定食にまつわるエピソードで一話完結のようになってまして、優しさが、心に沁みる、人情ストーリーです。(本の裏表紙や帯から抜粋)

この本は泣けます、最近は心まで乾燥してカラカラだったんでしょうか?それぞれのエピソードで毎回泣きました。落語の人情噺を聞いているようで、人の温かさや優しさがゆっくり沁みてゆくようでした。落語にも「景清」や「御神酒徳利」など神様が出てくる演目がありますがそんな感じです。著者の中村颯希さんは落語ファンなのかもしれません。読者メーターライトノベル部門で1位になったこともあるようです。ぜひ読んでみてください。

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