グレイハウンド

2023年03月17日 18:58

先週のブログ「エルヴィス」からのトム・ハンクス繋がりで今週はAppleTV+で「グレイハウンド」アーロン・シュナイダー監督2020年を観ました。第二次世界大戦中の大西洋におけるアメリカ海軍の護送船団とドイツ海軍潜水艦Uボートの戦闘を描いたC・S・フォレスターの小説「駆逐艦キーリング」(1955年)の映画化された作品です。(ちなみに主演・脚本はトム・ハンクスです)当初はソニー・ピクチャーズの配給で、2020年全米公開される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開は延期になり、ソニー・ピクチャーズは配給権を放棄、Apple TV+が推定7000万ドルで競落したそうです。Rotten tomatoesでは79%の支持率、平均点は10点満点中6.49点となっています。

第二次世界大戦の中、37隻で構成される護送船団が大西洋をリヴァプールへ向かっていた。アメリカ海軍のアーネスト・クラウス中佐が艦長を務めるフレッチャー級駆逐艦USSキーリングは、イギリス、ポーランドの駆逐艦、カナダのコルベットとともに護衛戦隊コールサイン「グレイハウンド」を組み、船団の護衛にあたる(元々グレイハウンドとは狩猟犬種のことである)。クラウスは他の護衛艦の指揮も取り仕切るが、彼にとって今回の任務が初の実戦での指揮となる。船団は「ブラックピット」と呼ばれる、大西洋中部の上空援護(航空支援)の範囲外(航空機の航続距離の限界の外)となる空白地帯に入りドイツのUボートから襲撃を受けるが、船団は空白の海域を超えて大西洋を渡り切ることができるのか・・・・。というのが大体のあらすじです。ほぼUボートとの海上戦闘シーンで構成されており迫力は満点です。欲を言えば艦長のクラウス中佐の人物像がもう少し描かれていても良かったかなと思います。

第二次世界大戦中にヨーロッパ戦線ではアメリカからの物資の輸送が死活問題であった中、連合国軍は航空戦力の活用などによってシーレーンの維持に成功しています。第二次世界大戦における連合国軍は、オペレーションズ・リサーチと呼ばれる作戦成果の科学的・統計的分析を行い、実戦経験を有効活用して効率的な護送船団運営・対潜戦を追求しており。その分析によると船団の被害はその全船舶数よりも、むしろ護衛艦の数に大きく依存していることを示していました。したがって、大きな護送船団を組んで多くの軍艦を護衛につけることで、船団の回数を減らした方が小さな船団を何度も出すよりも護衛しやすいという結論に達しています。太平洋での日本軍の補給路が壊滅状態だったのとは対照的に思えます。情報を的確に収集し、冷静にきちんと分析を行う・・・・・・今でもそうしたことが重要であることは変わらないのだろうと感じます。

記事一覧を見る