人生のコンマ

2023年02月17日 18:23

Netflixで「人生のコンマ」2016年ブラジル、ジャイミ・モンジャルディン、ルカ・ブエノ監督を観ました。原作はブラジルの精神科医(心理療法士?)でありベストセラー作家でもあるアウグスト・クリ氏であり、原題は「O vendedor de sonhosーポルトガル語ー」(夢を売る男)です。人生に絶望し、自らの命を絶つ決心をした心理学者に、突然現れたホームレスの男、彼に助けられるところから物語は始まります。彼に助けられ行動を共にするようになり、新たな生き方を学ぶなかで、思いがけない絆が芽生えてゆきます。どうやらホームレスらしい謎の夢を売る男(最初に自称[字幕]では金では買えないものを売る男と言っていたと思うのですが、ポルトガル語のセリフは確認できないので夢を売る男で統一します)は人生観、死生観を語り、人々の心に響く言葉を数多く残していきます。これがあまりにもド正論すぎて呆気にとられるぐらいなのですが、心に響く言葉ってあるもんだなあと感じます。想いを伝えようと言葉を発すれば、受け取り方は人それぞれで、発した当人にはコントロールできないことですが、良い悪いは別としてどこかで誰かに影響を与えることはあるのでしょう。この映画の中では夢を売る男の言葉は、心理学者の人生を大きく変えることになります。どのように変えたかは映画を観てください。

「その後も人生が続くように」夢を売る男が実際に売ったものはコンマ・・・・人生のコンマでした。心理学者はコンマを買ったわけですが、彼はそのコンマを転売することになります。夢を売る男の言葉は手に入れたものの人生を変え、さらにその言葉は持ち主を変えて引き継がれてゆきます。言葉とは不思議なものです。個人的に夢を売る男のセリフで心に響いたものは「自分からは逃げられない」でした。なかなかズッシリくる言葉です・・・・・・考えさせられました。

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