「あさきゆめみし」大和和紀・作を読みました。「あさきゆめみし」は大和和紀・作により「源氏物語」を漫画化したものです。「宇治十帖」を含む「源氏物語」54帖が概ね忠実に描かれ、平安朝の生活様式などを詳細に調べて漫画化しており、古典でも有名な「源氏物語」の世界を漫画という形で平易に視覚的理解を助け、古典への興味を持たせた功績は大きいそうです。2021年11月時点で単行本などシリーズ累計発行部数は1800万部を突破、海外向けに各言語に翻訳されています。「源氏物語」は平安中期に成立した日本の長編物語(小説?)であり、文献初出は1008年、作者の紫式部にとって生涯で唯一の物語です。主人公の光源氏を通じて、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いています。なんと、「源氏物語」は文献初出からおよそ150年後の平安末期には「源氏物語絵巻」として絵画化されています(漫画の元祖だろうか?)。古典をもちろん原文のまま読めれば良いのでしょうが、高校時代、全く古文の授業に興味を持てなかった私は、全く読む気が起こらず、翻訳本も借りてみたのですが、これまたさっぱり内容が頭に入ってこないので、最後の手段・・漫画に頼りました(まだ読み始めたばかりです・・・桐壺、空蝉、葵、花散里・・単行本は全13巻)。これと同じパターンで以前、三国志を読もうと思って、吉川英治著「三国志」を三分の一ぐらい読んで断念し、横山光輝・作の漫画化した「三国誌」を全巻読破したことがあります。日本独特のものだと思いますが、古典を漫画化してもらえるのは助かります(あさきゆめみしの連載スタートは1979年なので、古典を漫画化する先駆けとなった作品だと思います)。なかなか今から、漢文や古文を学び直そうとしてもハードルが高いので、古典を漫画化した質の高い作品が高齢者向けに出版されれば、今後ヒット商品になる可能性を秘めているのではないでしょうか。まずは「あさきゆめみし」全13巻を読破したいと思います。