マーシャル 法廷を変えた男

2023年01月20日 18:34

「マーシャル 法廷を変えた男」2017年チャドウイッグ・ボーズマン監督を観ました。1967年にアフリカ系アメリカ人として史上初めて合衆国最高裁判所の判事に任命されたサーグッド・マーシャルの若き日の弁護士時代を描いた伝記映画です。Rotten Tomatoesでは、批評家支持率83%、平均点は10点満点中6.7点となっています。

サーグッド・マーシャルは1908年メリーランド州ボルチモア生まれ、彼の祖父は奴隷だったそうです。ボルチモアで個人法律事務所を開設。翌年に全米黒人地位向上協会(NAACP)で働き始める。最初に手がけた大きな市民権事例として、ドナルド・ゲインズ・マレイという黒人学生が、分離平等政策のためメリーランド大学法科大学院への入学を許されなかったことを不服として訴えたもので、州との争いに全面勝訴しただけでなく、道徳的評決の先例にもなった。また人種統合と公民権運動への道を開いたとされるブラウン対教育委員会裁判があり、法律上の全ての人種差別は個人に対する法の平等保護を定めたあまりか合衆国憲法修正第14条に違反するという判例が確立した。さらにこの評決は1896年の「プレッシー対ファーガソン裁判」における「分離すれども平等」という先例も覆した。(Wikipedia調べ)

全てがマーシャルによってなされたわけではなく、今回登場する、相棒のサム・フリードマンもそうですし、その他のNAACPのスタッフたちのサポートがあったことによって、彼自身の、憲法のもとにおける平等という信条を全てのアメリカ人に実現したいという願望は達成できたのだと思います。この映画を通じてもそうですが、心の中にどうしても実現したい夢がある・・・そういう人物は腹が座っているといいますか、何か揺るぎないものを感じます。逆に言えばそういうものを持っていなければ、戦略的に優れたシナリオを書くことはできないのだと思います。大きな戦略を成すために、冷静に淡々と時には非情に細かい戦術を積み上げていく、そうした人物像が伺えます。法定ドラマとして定番ですが、娯楽性があって面白い作品だと思います、ご覧になってみてください。

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