格差の起源

2023年01月13日 09:12

「格差の起源」オデット・ガロー著という本を読みました。著者のオデット・ガロー博士はブラウン大学経済学教授。「統一成長理論」の創始者であり、人類史の全過程にわたる発展プロセスの理解と、停滞から成長への移行や世界規模の巨大な格差に根深い要因がいかなる役割を果たしたかの理解に貢献してきた方です。

内容についてはこんな感じです。
30万年近く前にホモ・サピエンスが誕生して以来、人類史の大半で人間の生活水準は生きていくのがギリギリだった。それが19世紀以降、平均寿命は2倍以上に延び、1人当たり所得は世界全体で14倍に急上昇した。第1部では、一体何が「成長」をもたらしたのかについて説いています。「統一成長理論」から歴史を理解するばかりでなく、今後の自然環境維持と持続的経済成長との両立におけるカギについても重要な視点を与えてくれます。第2部では、なぜ経済的な繁栄は世界の一部にとどまり、今なお国家間に貧富の差があるのかを考察し、その根源を解き明かします。さらに国家間の貧富の差を是正するために行われた不適切な取り組みについて指摘し、現代に存在する豊かさの格差に、根本から取り組み始める方法について論じています。

「Journey of Humanity The Origins of Wealth and Inquality」・・この本を読んでくると、オデット・ガロー博士が最後にこのシンプルで普遍的なことを書いた意味がわかるような気がします。
「国家の運命には歴史が長い影を落としているとはいえ、その運命はけっして石に刻まれたように変えようがないわけではない。人類の旅を支配してきた巨大な歯車が今も回り続けている以上、未来志向や教育や技術革新を促し、男女平等や多元主義、差異の尊重を進めるような方策こそが、普遍的は繁栄のカギを握っているのだ。」

とてもわかりやすく書いてあり、歴史や経済の予備知識は特にいらないと思います。おすすめの本ですので是非読んでみてください。

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