朝、自宅を後にして自転車で坂道を下ると、風が冷たく「そろそろ手袋が必要かな」と思うようになった。騒がしい子、おとなしい子、悪ガキ、礼儀正しい子等、小学生の列を横目で見ながら134号線に出ると、朝日を浴びた富士山がよく見える。良く晴れた日、寒ければ寒いほど鮮やかに見えるようだ。強い風をもろともせず空の上ではトンビが止まって見える。自画自賛だがこの通勤経路の景色は日本広しといえどトップテンに入るのではないかと密かに思っている。薬局に着いて裏の駐輪場に自転車を止めると、ここ最近シャッターを開ける前にするべき仕事が待っている。厚紙の箱とコピー用紙で作ったレスキュー袋の中で蛹になっているアゲハ蝶の確認だ。なぜ薬局でアゲハ蝶の蛹を観察してるのかって?・・・この訳は数週間前に遡る・・・・。ある月曜日、朝イチで到着した私は、1枚目のシャッターを開けたところで異様なものを発見した。1枚目のシャッターと2枚目のシャッターの間に立ててある取り外し式の柱に蛹がくっついている?しかもそこそこの高さまで登って?????さらにはまだかなり大きくイモムシの模様がうっすらわかるくらい出来たて。さすがに焦った・・・誰かが薬局で飼ってもらおうとそっと置いていったのだろうか?悩んだ末に1回くっついている蛹を外してイモムシに戻ってもらうことを選択した。驚くべきことにその後、イモムシにほぼ戻りかけていたが、ネットで調べた結果、自力で蛹に戻るのは無理だと判明したので、レスキュー袋の中にスッポリ入れて立てておくことにした。・・・とまあこれが“なぜ“アゲハ蝶の蛹を観察しているのか?の答えです。最近ハマっていることを小説風に書いてみました。(多少脚色はありますが概ね事実です)
1回イモムシに戻ったことも生命の神秘というかびっくりでしたが、レスキュー袋に入れておいたらきちんと蛹になったのもびっくりで、今ではだいぶ水分が抜けたみたいでだいぶ小さくなりました。このまま越冬するでしょうから孵化するのは来年の春になると思います。おそらくイモムシの形状からナミアゲハではないかと思われます。いやー命って本当に不思議なものですね。