「なくもんか」は監督水田伸生、脚本宮藤官九郎、2009年に公開されたコメディー映画です。あらすじは、幼い頃父親に捨てられた祐太は、東京下町の惣菜屋の店主夫婦に養子として育てられ、今では2代目店主となって商店街を盛り上げていた。そして密かに想いを寄せていた初代店主夫婦のひとり娘・徹子と結婚にこぎつけた祐太は、生き別れた弟で人気お笑い芸人「金城ブラザーズ」の祐介の存在を知り、再会を果たすが・・・・・。といったところです。主人公の祐太はバカがつくほど親切で、働き者。誰にでも自ら挨拶をして商店街では知らぬ者がいないほどの人気者。困っている人の頼み事はなんでも聞く。喋り方が落語家っぽく何処となくぎこちないが、いつも笑顔。しかしいつも笑顔なのは、住み込みで働いていた惣菜屋から父が蒸発したため、不満な顔をしたら捨てられてしまうという気持ちで我慢していたからだった。この祐太を演じているのが阿部サダヲさんなのですが、阿部サダヲさんのために用意されたような役で、イメージ通りというか、ピッタリのはまり役というか、今まで阿部サダヲさんの映画は観たことがなかったのですが(テレビでは拝見したことがあります)ファンになりました。題名は「なくもんか」なのですが、やたら泣くシーンが出てきます。そりゃ大人だって辛い、泣くことだってありますよ、無理して笑っているよりも泣いた方がいい・・・コメディーらしく泣き方のいろいろなバリエーションも見せてくれます。
この映画の主題歌、いきものがかりの「なくもんか」の歌詞には・・・
「ひょっとしたら皆ひとりぼっちで歩いているんじゃないかな」
背負い込んだ寂しさを打ち明けるわけも無く
またいくつもの背中が遠くなる
愛想笑いだけは上手くなってさ大人にはなれたけど
僕が描いていたのはそんなもんじゃないんだよ・・・・・とあります。
大人も寂しいし辛い?・・大人だから寂しいし辛い?なくもんかと思いながらも、ボロボロもらい泣きしてしまいました。笑いながら泣きたい人?泣きながら笑いたい人?・・・おすすめの映画です。