「相槌をとりあえず打つ母の愚痴」「とりあえず殺し文句は秘めておく」「とりあえず平和が続くありがたさ」「とりあえず無料と聞いて最後尾」「とりあえず笑っていたら上手くいく」等、川柳データバンクで検索したら153句ヒットしました。【とりあえず】・・・便利な言葉ですね。実用日本語表現辞典によると、取り敢えずとは、さしあたって、まずはじめに、などの意味の表現。他の事柄は置いておいて、現状を変えるために行動するときに用いられる表現。似た言葉として「一旦」や「ひとまず」が挙げられる。デジタル大辞泉では、①他のことはさしおいて、まず第一に。なにはさておき。例「とりあえずビール」②なにする間もなく。すぐに。例「とりあえず応急処置をする」となっています。われわれの世代では「とりあえずビール」は通用しますが、最近若い世代には通用しなくなり死語化しているそうです。日本独特の表現かと思ったらそうでもないようで、英語ではanywayやfor now、フランス語ではEn attendant、等日本だけでなく世界各国でとりあえず〜することは多い様です。考えてみると実生活では、何かを一旦おいておかないと先に進めないことって結構ありますよね。そんな時に登場する踏ん切りをつける言葉「とりあえず」ではないかと思います(そういえば最近踏ん切りってあまり使われないですよね)。話がまとまらなくて行き詰まったり、先行き不透明で何かを決めづらい時、なんとなくこの辺の線なら全員一致するんじゃないの?的な空気を読むイメージがあるから日本独特の表現だろうと思ったのかもしれません。一つのところに止まってにっちもさっちも行かなくなったら(そう言えばにっちもさっちもって最近使われませんよね)、とにかく動き出してみることは重要なのかもしれません、動き出してみれば状況が変わることだってありますから。今日は午前中、雨が降りそうだったのでどうしようかなあと思っていたのですが、「とりあえず」いつも通り走ってきました。走り出してみるとかなりの大雨だったのですが、意外に寒くもなく暑くもなく快適でした(冬はやめた方が良いと思いますが、夏は結構いけます)。無謀な賭けは良くないと思いますが、とりあえず・・動き出してみることも必要なのかなあと「とりあえず」について考えてみました。