来週の月曜日、今年も8月15日に終戦記念日を迎えます。毎年この時期になると戦争にまつわる本を読むことにしていまして、今年は「第二次世界大戦外交史」です。以前ブログで書きました「第二次世界大戦前史」の続編になっていて、芦田均さんによって執筆されています。(図書館で借りた1959年時事通信社出版局版で、ハードカバーの立派な本ですが当時の値段で800円となっていました)
第二次世界大戦下、世界各国が展開した外交の全貌を描いた一大記録。日本外交がたどった過程を、膨大な資料によりながら描き出し、政治・外交の前面に立った著者畢生の作品。ポーランド分割から日本のポツダム宣言受諾まで外交文書、会議記録、大使館と本国との電報や戦後明らかになった機密文書まで丹念に時系列で整理して、第二次世界大戦で起こったことは客観的にみて事実はどうだったのかを記録することに専念しています。終戦から77年、この本が書かれてから60年以上経ちますが、(あまりこういう言い方は好きではありませんが)日本人であれば読んでおくべき本ではないかと感じました。
最後の文章が印象的でした・・・・・・かくして第二次世界大戦の幕は閉じた。この大戦に飛び込むことによって、日本人は、長年積み重ねてきた政治、外交、経済の信用を破壊し国を滅ぼすことになった。原因は言うまでもなく国の政治外交を渡すべからざる人の手に引き渡し、その国政と外交とを誤った方向に導き、しかも軍閥の執権後に登用した外交家は極めて僅少の例外を除きその素質頗る粗悪であった。これが歴史のわれわれに教うるところである。日本人が世界の諸国民と伍して今後民族にふさわしい生活を享受しようと欲するならば、われわれは再三再四この点を反省しなければならないと思う。
約700ページにわたる大作でしたので読むのは大変でしたが、それ以上にこれを書くのはとてつもない粘り強さを必要とし、芦田さんの並々ならぬ使命感というか強い意志を感じます。ぜひ読んでみてください。