男はつらいよ お帰り寅さん

2022年01月21日 18:50

1月だからでしょうか?突然、男がつらいよを観たくなって「男はつらいよ お帰り寅さん」山田洋次監督を観ました。2019年12月に公開された「男はつらいよ」シリーズ50周年記念作品であり通算第50作目にあたります。
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別編」以来22年ぶりの完全新作。現在のくるまやとそれを囲む人々の人間模様が、過去のシリーズ映像を絡めて描かれています。団子屋だった「くるまや」は新しくカフェに変わっていたり、おいちゃんとおばちゃんはなくなり、博は定年退職し、満男は結婚したものの6年前に病気で妻を亡くし娘と2人暮らし。だいぶ年月が過ぎ、あの寅さんが帰ってくる茶の間は過去のものになっているかと思ったら、とらやの裏手にある家は変わらないままの“あの茶の間”そのままでした。1996年8月4日寅次郎を演じていた渥美清さんはお亡くなりになってしまいましたが、まだそこには寅さんがひょっこり現れるような、大船撮影所で組まれたセットに寅さんが染み込んでいるような不思議な感じがします(ちなみに「寅さんのお別れ会」は大船撮影所で開かれ山田洋次監督が弔辞を読んでいます)。寅さんは今回主に満男の回想シーンの中で過去の作品の映像で登場しています。改めてこうして寅さんを見てみると、寅さんはありのままの愛すべき感情の人なんだなあと思います。なぜか寅さんは周囲の人から悩みを打ち明けられるのですが、理屈で答えず、心で答える・・・。誰しも心の中に持っているものなのにも関わらず、なかなかそれを取り出すことが難しい様な・・・・。思い出したくてもなかなか思い出せないような・・・。そういうものを寅さんはホイッと簡単に取り出してしまう様なところがあります。山田洋次監督は寅さんを通じて、日本人が持っている言葉では言い表せないような“何か”(なかなか言葉で言い表すのは難しいのですが信仰とか魂というのでしょうか)を表現したかったのかもしれません。私が子供の頃のお正月映画といえば「男はつらよ」でした。特に他のシリーズを観ていなくても十分面白い映画だと思いますのでぜひ観ていただきたいと思います。

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