「最後の日々 生存者が語るホロコースト」1998年ジェームズ・モル監督 スティーブン・スピルバーグ製作総指揮をNetflixで観ました。(1999年アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞を受賞しています)スティーブン・スピルバーグ監督とホロコーストといえば「シンドラーのリスト」(1994年アカデミー賞 作品賞、監督賞など7部門を受賞)ですが、こちらもかなり印象深い作品となっています。簡単にあらすじを書けば、ヒトラー政権とホロコーストの恐怖を生き延びた五人のハンガリー系ユダヤ人の悲痛な体験を伝えるドキュメンタリー。と言えると思うのですが、そう簡単には言えない奥深い人間の闇というか、正体のよくわからない寒気みたいなものを感じます。昨日、太平洋戦争に関する本を読んで、まだまだ学ばなければならないことがあると書いたのですが、世界に目を向ければもっと学ばなければならないことがたくさんあると実感させられます。映画の中で五人の内の一人の方が、ヒトラーは第二次世界大戦と反ユダヤ主義によるユダヤ人問題の最終的解決という2つの戦争を戦っていたという台詞が印象的でした。生存者の方の当時の苦しみと絶望と希望、生き残った後の人生の苦悩、『自由』という言葉の重みを感じました。さらにハンガリー系のユダヤ人の多くの方が強制収容所に移送されたのは1944年であり、すでにドイツは敗色濃厚になっていたはずで(6月にはノルマンディー上陸作戦が成功しています)、なぜそうまでしてホロコーストに固執していたのか?地理的に離れているヨーロッパで起こったことなので日本人には分かりづらいことなのか、それともまだまだ勉強不足なのか?考えさせられました。
ちなみに「世界でいちばん幸せな男」エディー・ジェイク著(アウシュビッツ生存者の方)という本が最近和訳され話題になっているようなので、今度はそちらを読んでみたいと思っています。