前回のブログに書きました「キネマの神様」に登場する「ニューシネマパラダイス」を観ました。劇場公開版と完全版のどちらも観たことはあるのですが、今回はどちらかといえば好みである劇場公開版を観ました。「ニュー・シネマ・パラダイス」(伊:Nuovo Cinema Paradiso)は1988年ジュゼッペ・トルナトーレ監督のイタリア映画です。中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品です。1989年カンヌ国際映画祭審査員グランプリ、1989年アカデミー外国語映画賞、1989年ゴールデングローブ賞などを受賞し、Rotten Tomatoesによれば平均点は10点満点中8点の高評価になっています。日本における公開は1989年12月東京にあるシネスイッチ銀座(200数席)の単館上映で、40週におよぶ連続上映を行い、動員数約27万人、売り上げ3億6900万円という記録は、単一映画館の興行成績としては2021年現在でも破られていないそうです。特に主題歌は有名なのでCMなどで必ず一度は耳にしたことのある曲だと思います。中年になってから観てみると以前とは少し違ったこの映画の良さを再発見できたように思えます。思い出って不思議ですよね、特に子供の頃の思い出などは、もう何十年も経っているので、記憶の彼方に行ってしまっているのに、何かのきっかで(映画の中ではキスシーンを繋いだ映画のフィルム)ものすごく鮮明に思い出すことってありますよね。30年ぶりに故郷に帰ってきて何も変わっていない街を見ても、母親に会っても泣かなかった主人公が、ラストシーンでは映画の試写室でキスシーンを繋いだフィルムを観て一人で涙するところは、中年になってみて何かわかるところがある気がします。さらに駅で街を出て行くトトを見送るアルフレッドが言うセリフ「お前とはもう話さない、噂を聞きたいんだ」と言うセリフは父親がわりのアルフレッドと息子の物語なんだなあと感じさせてくれる場面です。日本で父親と息子の物語と行ったら北の国からなのですが、五郎は純に「いつでも帰って来たかったら帰って来い」と言って北海道から送り出します。正反対のセリフなのですが、どちらも親心から絞り出しようなセリフで、心に残るシーンです。
観てない方には是非観てもらいたい映画です。さらに若い頃に観たと言う方は歳をとってから観るとまた違った味わいがありますのでおすすめです。