今回は、以前観た映画を改めて観てみたシリーズ第3弾で、「激突 DUEL」です。「激突」は1971年にリチャード・マシスン(脚本も書いています)の短編小説を映像化下したもので、もともとアメリカのテレビ映画としてとられたもので、無名時代のスティーブン・スピルバーグが監督している作品です。日本では1973年に劇場公開されています。当時、スティーブン・スピルバーグはカリフォルニア州立大学でたての25歳で、この作品を日本教育テレビ(現、テレビ朝日)が「日曜洋画劇場」で放送するために購入金額が下から何番目ぐらいの低価格で買ったというエピソードがあるそうです。なぜこの作品を取り上げたかというと、おそらく子供向けの作品以外では初めて映画館で観た映画だったからです。確か日比谷か有楽町の映画館だったと思うのですが、まだ小学生の低学年の子供だった頃に、なぜ父親が一緒にこの作品を観に行こうと言ったのか?自分が見に行きたかったのか?招待券をもらったのか?未だ謎です。その当時はR15指定などはなかったと思うのですが、今考えると観終わった時に漠然と怖い映画だったなあと思ったことを思い出します。今、改めて観てみるとこれどうやって撮ったのだろうか?と思うようなカメラの動きがあったり(バイクにカメラを取り付けたのだろうか?)、トラックの重量感やスピード感の映像から迫力が伝わってきてうまく撮影されてるなあと感じます。今、同じものを撮るのであれば、特撮やドローンカメラなどを使うのかもしれません。運転手が顔を見せず執拗に主人公を追いかけるトレーラーを、「ゴジラ」などに影響を受けているスピルバーグ監督は「怪獣のように考えた」と語っており、その描写は「ジョーズ」に引き継がれているそうです。また飲食店でトレーラーの運転手を「誰だ?誰だ?」と探し回るシーンは黒澤明監督作品を引用しているのではないかと言われています。第1回国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した名作!Huluなどでも観られるそうなのでぜひ観てみてください。
ちなみにこの作品の前にスピルバーグ監督は、刑事コロンボ3作目「構想の死角」を監督しており、その作品をみたプロデューサーが「激突」の監督に採用したしたそうです。