「脳と森から学ぶ日本の未来」稲本正著を読みました。著者の稲本正さんは立教大学物理科卒業後、物理学科に勤務されていましたが、1974年に岐阜県高山市に移住して、経済と環境の高い次元での融合が地球規模で求められる今、木を使うことで森林、ひいては地球環境全体の健全化に貢献する、真の循環型ビジネスモデルの確率を目指すという理念のもとオークヴィレッジ株式会社を創立。さらに「どんぐりの会」を設立して広葉樹の植林活動を行なったり、世界や日本の森の現在と未来を見据え直し、私たち人類の今後のあり方を探る試み「森の惑星」プロジェクトを支援されています。題名からすると生態系や木・森などの植物・動物の内容かな?と思いきや、失われた20年と言われ今後の方向性がなかなか定まらない日本において、科学技術の革新または生態系の中で起こるパラダムシフト、世界と日本の歴史の流れから学び、現状をきちんと理解した上で、新しい視点を持った自然と調和した未来の生き方を提案する内容となっています。私が中でも注目した部分は、日本の森林に関する未来を再構築するために、森に対する接し方について書かれた部分です(8つのパターンが存在する)。①完全なる原生の森。一切手を入れない(マタギやアイヌの人々は例外とする)。②人間が少し手を入れてしまったが、非常に自然度の高い森林。保護地域(プロテクション地域)とし、文明的な破壊から保護する。③人が自然散策やホーストレッキング的なことを含め、あるルールのもとで、自然に親しめる地域を定めておく(コンザベーション地域)。④コンザベーションに準じ、外来種をいれない地域。日本では里山があり、人間が恒常的に関わり、森の手入れをし続けて、林業副産物(きのこ、山菜、アロマ)を採取しながら、時に樹木を捕食する地域。(稲本さんは若者による「里山育林隊」を組織したらどうだろうと提案している)⑤破壊された森林を修復する地域(リハビリテーション地域)(稲本さんは杉を適度に択伐して、間に広葉樹と林業副産物を植えるべきだと提案している)。⑥都市の森(公園や鎮守の森を指すと思われる)⑦個人の家にある庭木。⑧ベランダなどでの植木鉢。この分類は素人でもわかりやすくよくできてるなあと思いました、今後、持続可能な社会とは?自然保護とは?などますます考えていかなければならない世の中になってくると感じます。自然と調和した循環型の世の中を想像してみるだけでなく、すでにどうやって実現すれば良いのか?といった具体的な思考が必要になってきているのではないでしょうか。
まずは自転車でよく通る盆栽を売っているお店で(前から気になっているんです)、ちっちゃい盆栽を買って育ててみることから始めてみようと思います。