昨年も今頃に本屋大賞についてブログに書いていたと思いますが、今年もその季節になりました。本屋大賞とは2004年に設立された、NPO法人・本屋大賞実行委員会が運営する文学賞であり、「新刊を扱う書店の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定されます。書店員が本と読者を最もよく知る立場にあると位置づけ、投票資格者を書店員主体にしていることで「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」というキャッチコピーのもと、売り場からベストセラーを作ることを目標にしているそうです。
毎年だいたいノミネート作品から1〜2冊は読んでいるのですが、今年は2位になっています青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』を読みました。図書館の無愛想だけど聞き上手な司書さんを中心に、立ち寄った人たちの人生を後押しする心温まるショートストーリーになっています。青山さんは「木曜日にはココアを」や「鎌倉うずまき案内所」(ご本人は横浜在住だそうです)なども同様に心温まるようなショートストーリーの作品が多く、感想・レビューにある読者が、本から優しさをもらいたい・・・・そんな時にぴったりな一冊。とコメントしていたのは、なかなか上手い表現だなあと感じました。
大賞は町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」が受賞したそうですが、本屋大賞の1位と2位どちらも女性が受賞し、これは後から知ったのですがお二人とも作家を目指すきっかけが氷室冴子さん(確かクララ日記は私も読んだ事があると思います、コバルト文庫だったかな?)の作品だったというのも何か繋がりのようなものを感じます。「52ヘルツのクジラたち」はまだ読んでないのですが、自分の人生を家族に搾取されてきた女性と、母に虐待されて「ムシ」と呼ばれてきた少年の物語となっていて、こちらは魂を揺さぶられるような作品となっているようです。ぜひこちらも近々読んでみたいと思っています。
ちなみに毎年こちらも注目しているのですが発掘部門にはみうらじゅんさんの『「ない」仕事の作り方』が受賞しました。先ほど読み終わったのですが、これは面白い!「ある」仕事で競争に勝てない時どうすれば良いか・・・・・・その「ない」仕事の捻り出し方のセンスが抜群に面白いです。この本を選んだ実行委員会もすごいと思いますが、私もぜひ読んでもらいたいと思うおすすめの一冊です。