直球のタイトルに惹かれて、姫野カオルコさんの「青春とは、」を読んでみました。“鮮やかに蘇る高校時代。フツウな青春小説。”と本の帯にあるように、コロナ禍で家に引きこもっていた主人公が、高校時代の名簿と1冊の本を偶然発見するところから始まり、高校時代(青春時代?)が映画のように蘇ってくる小説です。私と年齢は若干離れているのですが、昭和50年代に高校時代(青春時代?)を過ごした者には、高校時代ってこんな感じだったよなあ・・・と感じさせてくれて、じわじわと高校時代の思い出が蘇ってくる感覚に襲われます。特に50代〜60代の方にはおすすめです。深夜ラジオ、試験に出る英単語、レコード、購買、公衆電話。懐かしい・・・・・。そういえばよく部室で弁当食べてたし、部室が近いと顔見知りになることあったよなとか(私が高校生の頃は1学年500人以上いました)、貸レコード屋でレコード借りて録音してたなとか、帰りに買い食いする店は大体決まっている店があったりしたことを思い出しました。作品の中で読んでいる本についてのエピソードも登場しますが、自分も当時勉強せず小説ばかり読んでいた記憶があります。中でも渡辺淳一さんの医療シリーズ、「ダブルハート」「無影灯」「二つの性」「白き手の報復」などや、宮本輝さんの「泥の河」「道頓堀川」「優駿」「青が散る」など好きな作家を集中的に読んでいました。私が通った神奈川県の県立高校は、自由でおおらかな校風だったので、作品中に登場する高校と似ていて、共感しやすかったのかもしれません。
スマホやコンピューター、インターネット、SNS、AIなどなかった時代、受験戦争はあったけどおおらかだった時代、高校の時代の卒業アルバムや名簿・・・・どこにしまったっけな???たまには引っ張り出してみますか・・・・。