今まで近所にあって気になっていたのですが、なかなか訪れてみる機会がなくて前を素通りしていた、国指定重要文化財「一条恵観山荘」に行ってきました。建物見学の予約をすると、内部を解説しながら案内してくれますのでおすすめです、1500円でなかなか面白い話を聞くことができますのでぜひ予約をしてみてください。一条恵観山荘とは後陽成天皇の第九皇子であり、摂政・関白を二度務めた一条恵観によって営まれました。往時は京都西加茂に建つ、緑の濃淡が幾重にも連なる里山に建つ一条家別邸の離れであり、一見すると田舎家風なその建物は、恵観公自身が設計をし、随所に粋な心と野趣が込められた、皇族の「茶屋」となっています。昭和34年、鎌倉の地に移築され、庭石や枯山水も建物と共に移され当時と同じように配置されたそうです。江戸時代の朝廷文化を伝える建物としては、京都の「桂離宮」「修学院離宮」が有名ですが、桂離宮は恵観公の叔父、修学院離宮は恵観公の兄によって造営されています。茶道の世界というかおもてなしの世界というか、奥の深い世界なのだなあと感じさせられました。雑木林の風景を部屋の中に再現するため、1本1本の柱の建材を全て違う種類の木を使用したり、障子や襖には細やかな技巧が施され、畳の縁にシルクが使われるほどこだわりが詰め込まれています。紅葉にはまだちょっと早かったかもしれません、和菓子作り体験なども催されているようなので、ぜひ感染症対策をして少人数で来園されてみてはいかがでしょうか。