洪鐘祭延期

2020年10月24日 08:51

以前ブログで「八雲神社」を書いたときに触れていました10月17日、18日で行われる予定だった「洪鐘祭」が、新型コロナウイルスの関係で延期になりました。洪鐘とは円覚寺にある関東で最も大きい洪鐘で、国宝に指定されていて、円覚寺開基である北条時宗の子である貞時が1301年に寄進したものであり、それと共に江ノ島弁財天の加護によって洪鐘の鋳造が完成したと伝えられており、弁財天を祀る弁天堂も合わせて建立さています。こうしたことから江ノ島の弁財天と円覚寺の弁財天は夫婦弁天と呼ばれ、60年に一度に行われる「洪鐘祭」で出会うことになっています。

この祭礼は1480年から60年に一度行われてきた様なのですが、必ずしも60年に一度ではなく延期されたことも多かったようです。例えば前回1960年に行われる予定だった時は、1965年に延期されていますし(5年も?)、その前の1900年の時も1901年に延期されています。1960年の時は理由が不明なのですが、関東大震災で倒潰した仏殿の再建が1964年であることや、江島神社の弁財天大祭が60年に一度の己巳年に行われることなどを理由としてあげている方もいるようです(私は東京オリンピック1964のヨット会場が江ノ島だったことも関係があったのではないかと思っています)。1900年の時は農産物の不作が理由のようですが、1900年はペストが流行していてネズミの買取が始まった年でもあるので、それも関係があったのではないかと思っています。こうしてみると色々な(大きな)行事が自然災害や疫病などで延期されることは、人類の歴史上“よくあったこと”なのだと、そしてその後多くの人の思いや頑張りによって見事に復活してきています(残念ながら消えていってしまうものもあるとは思いますが)。

コロナ禍で数々のイベントが延期となっていますが、今までの歴史はこうしたことを繰り返ししなやかに対処してきていることを証明しています、心配しなければならないことは多いと思うのですが、少し気が楽になった気がします。 

ちなみに毎年鎌倉宮で行われている薪能も日程延期になってしまいました(今年はオンライン配信の予定でした)、ぜひ早期の開催を願っています。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)