なぜ賃金は上がらないのか

2026年09月21日 14:29

「なぜ賃金は上がらないのか」首藤若菜著を読みました。著者の首藤若菜博士は、立教大学経済学部教授。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員。日本女子大学家政学部准教授などを経て現職。専攻は労使関係論、女性労働論。著書に「統合される男女の職場」、「グローバル化のなかの労使関係ー自動車産業の国際的再編への戦略」、「物流危機は終わらないー暮らしを支える労働のゆくえ」、「雇用か賃金か 日本の選択」共著に「間違いだらけの日本の物流」がある。(表紙裏著者紹介より)

この本は、日本の賃金が30年近く上がらない理由を、「企業の努力不足」や「生産性の低さ」ではなく、価格・取引銀行・下請け構造が賃金を抑え込む日本特有の仕組みとして描き出す。多くの産業では値上げが取引先に拒まれ、横並びの低価格競争が続き、元請けが下請けの価格転嫁を認めない。そのため原材料費や人件費の上昇を企業内部で吸収するしかなく、賃金と長時間労働が“調整弁“として犠牲になる。物流・運送業のフィールドワークでは、ガソリン代が上がっても運賃が上げられず、2024年問題でも価格転嫁が進まない現実が示される。退出しない下請け企業が低価格競争を続け、現場の献身が構造的に賃金停滞を支える。さらに、企業内組合中心の労働組合は業界横断の交渉力が弱く、転職による賃金上昇も限定的で、労働移動が賃金を押し上げる力にならない。著者は最後に、賃金と価格を再び結び直す構造改革を提案する。最低賃金の引き上げ、退出を許容する産業構造、価格交渉が成立する取引慣行、労働移動を支える制度などを通じて、企業内部の我慢に依存するモデルから脱却し、価格を外向きに議論できる社会へ転換する必要性を説く。(COPILOT作内容紹介)

日本全体を覆っているどんよりとした曇り空のような空気感は?諦めムード?どうしてなのでしょう?・・・賃金が上がらないことがかなり影響していることは間違い無いと思います。雇用を守るためには仕方がないとか、とにかく企業は無理してでも給料を上げれば市場が淘汰してくれるとか、価格に転嫁すれば良いのでは?とか、投資をして生産性を上げれば賃金の原資が確保できるとか、そう単純なことでは無いようです。いずれにせよ価格転嫁を企業内部の現場の我慢で吸収するのは限界がきている・・・・・価格転嫁の問題や現場で起きている問題をどこでどう吸収して分散するのか?構造的な根の深い問題です・・・・日本経済30年の陥穽についてよく考えてみたいと思います。

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