考えるヒント

2026年08月05日 12:29

「考えるヒント」小林秀雄著を読みました。著者の小林秀雄氏は、1902年東京生まれ。東大仏文科卒。1929年、雑誌「改造」の懸賞論文に「様々なる意匠」が入選。以後文芸評論家として活躍。1953年に「ゴッホの手紙」で読売文芸賞、1958年に「近代絵画」で野間文芸賞、1978年に「本居宣長」で日本文学大賞をそれぞれ受賞。1959年に芸術院会員となり、1967年に文化勲章を受けた。1983年3月没。(表紙裏著者紹介より)

「この本の読者は、読むほどに、かつてないようなかたちで、精神が躍動しはじめるのを感じておどろくにちがいない」(江藤淳氏「解説」より)。「良心」について、「平家物語」、「花見」・・・・。さりげない語り口で始まるエッセイは、思いもかけない発想と徹底した思索で、読者を刺激し新たな発見を与える。永遠に読み継がれるべき名著。(表紙の内容紹介より)

鎌倉にも縁のある方で、「鎌倉文庫」活動などにも参画し、鎌倉文士の中心的な存在でもありました。借り物の理論ではなく、対象そのものに向き合う批評を確立した方です。しかしこの本では、「考えるヒント」と題しながらヒントらしきものは全く書いていません。自分で考えたことをそのまま提示して、あとは自分で考えてくださいと言ったスタンスで、自分の思考の癖を照らし出す鏡のような文章になっています。なぜそう考えたのかは一切説明はなく、“生の思考“をそのまま文章化して、思考とはこういうものだと言われているようです。確かに自分の思考回路とは違う部分が少し垣間見えたような気がします。自分の思考の動きを記録した文章を芸術にまで高めた・・・・それは自分の意識の流れを“書く“という行為に置き換えたのだろうか?・・・考えて見たいと思います。

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