「痛い!%&#$%%”#“&%&・・・・・・・」最近歳のせいでしょうか、椅子の脚に足の指をぶつけることが多くなった様な気がします。この時の痛みは歯の治療に匹敵するくらい上位にランクインする痛みだと思います。
この時身体ではどの様な反応が起こっているのか、興味があったので少し調べてみました。最初はぶつけた指に鋭い痛みが走り(第1痛)、その痛みはすぐにやわらぐが、鼻歌で気を紛らわせながら待ち構えていると、ズキズキする痛みの第2波(第2痛)が広がる。痛みの最初の波は迅速に伝わり、正確で識別的で、迅速な対応を要する脅威についての情報を伝え、回避反応を導く。第2の波は徐々に高まり、徐々に収まっていき、痛みのもとがどこかもはっきりしないし、痛みの質も、うずくような、あるいは焼けるような、ズキズキした感じとなる。まったく身体ってうまくできてますよね、痛みの警報は2段階に鳴ってそれぞれ用途別になっている!。進化の過程でこうしたシステムがうまく機能したのだと思います(動物って慢性痛を感じるのでしょうか?聞いてみたいです)。
しかしながら我々鍼灸師が扱う慢性痛はこうしたシステムがうまく働いていないようです。痛みは(上記の様な急性痛も)痛みの受容器(センサー)が興奮するか、神経繊維が直接興奮すると起こるのですが、慢性痛では問題が起こっており、大怪我などで神経が長期間興奮すると、シナプス(神経繊維の繋ぎ目)が神経からの刺激がなくても興奮してしまい、刺激が伝わってしまうことがわかっています(長期増強という)。また急性痛が長びくと痛み→ストレス→交感神経系の亢進→筋肉や血管の収縮→局所の血流低下→発痛物質の蓄積→痛みの増加と言った悪循環が生じている事もわかってきています。
もちろんこうした場合、統合医療としての一つの選択肢である鍼灸マッサージは出番となるのですが、痛みに対してはセルフケア(セルフマネージメント)と言った考え方も重要であることが、欧米の研究などでは明らかになっています。いくつかある中でエビデンスの高い3つを紹介したいと思います。1運動、2考え方(否定的な感情、不安に対するものなど)、3痛みへの理解、となっているのですが、こうしたアプローチにもコツの様なものはあるので、専門家(鍼灸師も含め)の意見を聞いておこなった方が良いと思います。自分に合った方法は人それぞれなので、質問してみることをおすすめします。(当鍼灸治療院でも質問は受け付けておりますのでぜひご利用ください)