傲慢と善良

2025年04月26日 14:20

「傲慢と善良」辻村深月著を読みました。著者の辻村深月さんは千葉大学教育学部卒。2004年に「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年「ツナグ」で第32回吉川英治文学新人賞、2012年「鍵のない夢を見る」で第147回直木賞、2018年「かがみの孤城」で第15回本屋大賞受賞。著書に「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」「琥珀の夏」「闇祓」「嘘つきジェンガ」「この夏の星を見る」など多数。(表紙裏の著者紹介より)ちなみにかなりの作品数を書いている方なのですが、私が読んだことあるのは「ツナグ」と「かがみの孤城」の2作品でした。直木賞受賞作「鍵のない夢を見る」は今後読んで見たい作品です。

あらすじ
西澤架の婚約者坂庭真実が突然姿を消す。西澤架は婚約者を探す。以前からストーカーに付きまとわれてると訴えていた真実の言葉を頼りに真実が結婚相談所で会った以前のデート相手二人に会うが居場所を掴めない。真実の失踪から数ヶ月経った頃、架の友人から真実のストーカー話が嘘だった事を知らされる。真実はその頃東北でボランティア活動をしていた。インスタグラムの架のコメントを見て架に連絡し再会し結婚する。(Wikipediaより)


マッチングアプリや結婚相談所?それこそ私にとってはジェシー・オースティンの小説「高慢と偏見」の世界、18世紀から19世紀初頭のイギリスの結婚事情と同じくらい遠い世界の話に思えます。不思議なはじまり方をする物語も終わってみれば正統派の純愛小説。そういった無言の圧力とか閉塞感とかとは外れてしまった人生を歩んできた身としては勉強になりました。とにかく善良な人が最後はハッピーエンドになってほっとしています。もしもこれが破滅的はラストになっていたら救われなかった思います。なんだか結婚式のスピーチのようになってしまいますが、結婚はゴールであると同時にスタートでもあるので、これから山あり谷ありでいろいろあるのでしょう。いくら善良な人でも嘘をついたことのない人などいないと思います。墓場まで持っていくつもりで一世一代の嘘をつくこともあるでしょう(真実のように)。でもね・・嘘はつかないに越したことはない・・・嘘をつかなければならないようなことはしないほうがいい・・・善良であればあるほど自分を苦しくするだけですから・・・・。

記事一覧を見る