今頃に降る雨は穀雨と言われるそうです。穀雨とは二十四節気の清明と立夏の間にある節気であり、田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨が降るころとされています。穀物の成長を助ける雨のことで、「暦便覧」には「雨降りて百穀を生化すればなり」と記されているそうです。雨が降っているとランニングやバードウォッチングへ行けず気が沈みがちですが、穀物の成長を助けているのだなあと考えるとポジティブに切り替えられるような気がします。そこで今回の散歩道は、久しぶりに映画を観に行ってきました。
「アマチュア」(原題:The Amateur)ジェームス・ホーズ監督、ラミ・マレック主演
ロバート・リテルの同名小説「The Amateur」(日本版はチャーリー・ヘラーの復讐)を原作としたサスペンス映画です。実は映画化は2度目であり、1981年にミュンヘンやチェコスロバキアを舞台にカナダで製作されています。
ラミ・マレック主演で贈る、スパイアクション・サスペンス!
スパイ映画史上最も地味な主人公、殺しは“アマチュア“のCIA分析官チャーリー。妻の命を奪った国際テロ組織へのたった一人での復讐を決意する。CIAすらも予想できない方法で、テロリストたちを追い詰めていく。だが、その裏には驚くべき陰謀が隠されていたー。無謀で予測不能な復讐劇の驚くべき結末とは!?冷静な頭脳か、暴走する狂気かーこの“アマチュア“にあなたも騙される。(20th Century Studios公式ホームページより)
スパイ映画といえば007のジェームス・ボンド(ショーン・コネリー世代です)、ミッション・インポッシブルのイーサン・ハント(スパイ大作戦の、例によって・・・のセリフやカセットテープが煙とともに消滅するテレビシリーズも良いですが、やはりトム・クルーズでしょう)、ボーン3部作のジェイソン・ボーン(マッド・デイモン)等々、頭脳明晰、カッコ良く、強く、神出鬼没、世界を股にかける一流スパイのイメージですが、今回出てくるチャーリー・ヘラーはそんなイメージとはかなりかけ離れています。最初はためらい、恐れ、思い通りにはいかないのですが、テロリストに復讐するため殺しに手を染めたチャーリーは徐々に強みを活かすことを学び、だんだん洗練されていく(あまり望ましいことではないのですが、手際が良くなり慣れていく)。しかし、CIA内部の闇とテロリストの関係を知った時、殺しという手段を捨ててチャーリー本来のやり方で相手を罠にかけていく。スパイ物だと完成されたスーパーマン的な人物像が描かれますが、自分と葛藤し悩み成長するスパイ物は新しいなあと感じました。人物背景がやや薄い感じがしたり、後半は展開が早くてわかりにくいところがありますが、ラミ・マレック演じる、内気でちょっと根暗っぽいスパイ像は見どころです。ぜひご覧になってみてください。