ヘルスツーリズム

2020年05月08日 17:23

以前専門学校の研修旅行で、ドイツのバーデンバーデンに行ったことがあります。ヨーロッパ有数の温泉地であり(観光地でもあり)古くから保養地として栄えていたそうです。音楽家のブラームスやシューマン、シュトラウスなども訪れて保養していました(ロベルト・コッホはこの地で没している)。近郊に競馬場(福島と姉妹都市になっていて福島競馬場と業務提携しているらしいです)があったりゴルフコースがあるのですが、なんといっても有名なのはクアハウスです。19世紀からある温泉リゾート施設で、医師が常駐していて運動療法やリラクゼーションを処方し、それを行うリハビリテーションのためのトレーニング施設やプールなども併設されています。日本では温泉利用型健康増進施設と呼ばれるそうですが、あまり普及はしていないようです。最近は海外の富裕層をターゲットとした医療提供型(手術などを目的とした)のメディカルツーリズムは増えてきているようですが、もともと日本では湯治と言われてたものに近いヘルスツーリズムはあまり耳にすることはありません(広い意味ではメディカルツーリズムもヘルスツーリズムに含まれる)。昨年「医道の日本」という雑誌でヘルスツーリズムを特集していたのですが、観光庁の定義では“自然豊かな地域を訪れてそこにある自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒され、健康を回復・増進・保持する新しい観光形態”なのだそうです。医療からレジャーに近いものまで様々なものが含まれるそうですが、統合医療として滞在型の養生施設を立ち上げている医師の方や、鍼灸に加えて瞑想や農業体験などをプログラムに入れている、宿泊型の鍼灸治療院の試みなどが紹介されていました。保険診療の問題や地元の医療施設との連携や調整(地元の医療にどうやって貢献するべきか)など法律の問題なども含めて難しい面はあるにしろ、今後滞在型の健康増進施設はニーズが高いと思います。       もしも星野リゾートが滞在型のクアハウスをオープンしたら・・・行ってみたいけどなあ・・・・。

記事一覧を見る