動物の秘密

2025年03月05日 15:36

「動物の秘密」アシュリー・ウォード著を読みました。著者のアシュリー・ウォード博士は英国リーズ大学で博士号を取得、シドニー大学の動物行動学の教授。オキアミ、魚、鳥、哺乳類などの動物の社会的行動に焦点を当てた研究を行なっている。科学誌に100以上の論文を発表し、多くの学術書に引用されている。子供の頃から動物に夢中になり、川で釣りをしたり、丸太の下を覗いたり、渓流で化石を探したりして過ごす。「動物の秘密」の元になったオーディブルオリジナル「THE SOCISL LIVES OF ANIMALS」は、英国での宣伝が全くなかったにもかかわらず、2週間にわたってAudibleのチャートでトップを記録している。(著者紹介より)

この本は、動物たちの社会的行動や協力の仕組みについて詳しく解説されています。ウォード博士は、ネズミが見知らぬ仲間を助けるために行動することや、ライオンが獲物の子供を養子にすること、アリが協力して菌を栽培することなど、動物たちがどのようにして社会を築き、協力し合うかを探るために、世界中を旅しながら様々な動物の行動を観察しています。また、動物たちの協力や社会性が、私たち人間とどれほど共通しているかを示すと同時に、動物たちの行動から学べることが多いことを教えてくれます。動物たちの社会的な側面について新たな視点を得ることができる一冊です。(COPILOT作)

原題は「The social Lives of Animals」となっていて、こちらの方が内容をストレートに伝えているのではないかと思います。なぜ邦題が「動物の秘密」になったのか?やや疑問ですが・・・700ページ近い分厚い本にもかかわらず、色々な動物の社会を覗くことができて最後までおもしろく読ませてもらいました。中でも第9章の類人猿の戦争と平和では、人間との共通点が多い霊長類のチンパンジーとボノボの研究が挙げられており、非常に興味深い内容でした。博士はこう書いています、『歴史を見ればわかる通り、人間にも、平和的とされる民族と好戦的とされる民族がいて、それぞれがその民族の文化の一要素となっている。社会集団には、行動パターンに一定の傾向があり、そのパターンに沿って集団の構成員が動くことが多い。動物の場合もそれは同じで、霊長類にも同じことが言える。(中略)その動物が好戦的なのも、平和的なのも、実は周囲に合わせているだけの可能性があるということだ。』・・・・・・・・・考えてみたいと思います。

ちなみに博士の新しい本が2023年に英国版「Sensational」米国版「Where We Meet The World..」が発売されているのですが日本語翻訳版はまだ発売されていません。こういう時に本当に思います、原書で読むことができたらと・・・・残念。

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