「バイオミメティクスは未来を変える」橘悟著を読みました。著者の橘悟博士は、京都大学大学院地球環境学堂 研究員。電機メーカーの研究開発研究職を経て、2024年3月京都大学大学院人間・環境学研究科で学位取得。人間・環境学博士。新たなバイオミメティクスの創成に向けて、技術開発だけでなく、理論研究(手法論)や生物学研究も行う。高校への出前授業や企業でのセミナー、執筆活動も積極的に行い、バイオミメティクス関連テーマを多角的に推進する。(著書裏表紙著者紹介より)
この本は、生物の仕組みを応用して新しい技術を開発する「バイオミメティクス」について紹介しています。例えば、渡り鳥の隊列飛行を参考にした航空機の燃料削減技術や、蜘蛛の糸や力の触感をヒントにした高感度マイク、センザンコウのウロコを模倣した医療用小型ロボット、ホッキョクグマの毛を参考にした断熱性の高い繊維など、多岐にわたる分野での応用が描かれています。また、アイデアの発想方法についても詳しく解説されています。課題解決型アプローチとして、特定の課題から生物を探し出してその仕組みを応用する方法や、解決策提案型アプローチとして、生物の特性から新たな応用方法を見つけ出す手法が紹介されています。(COPILOTより)
ちなみにこの本を読もうと思ったきっかけなのですが、2025年1月10日、サメ肌の構造を模倣したリブレット形状塗膜をボーイング787−9型に施し、燃費改善を図る技術を導入するとJALはプレスリリースしました。JAL、JAXA、オーウエル社は協力してこの技術を開発し、従来のデカールやフィルムを使用した方法に比べて軽量で耐久性が高く、飛行中の剥がれを防ぐことができ、巡航時の抵抗低減率が0.24%となり、年間約119トンの燃料消費量と約381トンのCO2排出量の削減が期待されているそうです。
読んでいると未来が明るく楽しくなるように感じる本です、ぜひ小・中学生に読んでもらいたいと思います。子供達が想像し、本気で打ち込むことができ、できると本気で信じることができれば、そうした未来は実現できるのではないかと、根拠はありませんが思います。もしかしたらこうした技術の話だけでなく、戦争のない世の中も、差別のない世の中も、子供達が本気で信じられる世の中であれば、そうした未来は実現できるのかもしれません。未来は変えられる、未来はきっと良くなる・・・・・・そう思える世の中は楽しい。