映画を見にいく散歩道:ショウタイムセブン編

2025年02月12日 15:46


「ショウタイムセブン」渡辺一貴監督・脚本を観ました。この作品は「テロ、ライブ」キム・ビョンウ脚本・監督2013年公開の韓国映画の日本リメイク版でオリジナル展開も盛り込まれています。(ちなみに大筋のストーリーは同じなのですが、後半はかなり韓国版とは展開が変わっていて、焦点を当てているポイントが異なっています。「テロ、ライブ」も観ましたが、私は日本版の方が好みです。)

STORYはこんな感じです。
午後7時、ラジオ番組に1本の電話。直後に発電所で爆破事件が起こる。電話をかけてきた謎の男から交渉人として指名されたのは、ラジオ局に左遷された国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元人気キャスター・折本眞之輔。突如訪れた危機を番組への復帰チャンスと捉え。生放送中のスタジオに乗り込み、自らがキャスターとして犯人との生中継を強行する。しかし、そのスタジオにも、既にどこかに爆弾がセットされていたのだった。一歩でも出たら即爆破という中、二転三転しエスカレートする犯人の要求、そして周到に仕掛けられた思いもよらない「罠」の数々。その極限状態がリアルタイムに全国民に拡散されていくー!なぜ彼が指名されたのか?犯人の正体と本当の目的とは?全てが明らかになるとき、折本が選ぶ予測不能の結末。あなたは〈ラスト6分〉に驚愕する。(ショウタイムセブン公式ホームページより)

昨日のブログで「不正義とは何か」という本を取り上げたのですが、「ショウタイムセブン」は“不正義“をテーマに娯楽映画を作るとこんな感じ、といった作品になっているのではないかと思います。なにしろ「不正義とは何か」はかなり専門的で基礎的知識のないものが読むにはかなりしんどい・・・。「ショウタイムセブン」のように娯楽映画の形になっていると分かり易い上に面白い。

復讐はどう言い訳しても“正義“などではなく、爆破事件を起こせばそれは犯罪です。しかし、単純に“正義“の裏返しだから“不正義“なのだろうか?折本は行った行為は“不正義“なのは間違い無いですが、無作為だったから“不正義“なのだろうか?報酬を得ていたから“不正義“なのだろうか?報道機関はもちろん真実を追求する姿勢は大事であることは間違い無いのですが、真実を追求することは簡単ではありませんし、真実に嘘が混じっていたり、嘘に真実が紛れていることもあります。個人のプライバシーは当然尊重されるべきことです。何がなんでも真実を追求することは“正義“なのか?それを伝えないという選択をしたら“不正義“なのか?

“不正義“はいろんな顔を持っている。最後の国民投票は、あなたにとって“不正義“とはなんですか?と問いかけられているような気がしました。ぜひご覧になってみてください、おすすめです。

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